セッション情報 一般演題

タイトル 200:

膵内副脾より発生したepithelial cystの一例

演者 新垣 淳也(那覇市立病院 外科)
共同演者 山城 和也(那覇市立病院 外科), 久高 学(那覇市立病院 外科), 安田 卓(那覇市立病院 外科), 羽地 周作(那覇市立病院 外科), 盛島 祐二(那覇市立病院 外科), 平良 一雄(那覇市立病院 外科), 宮里 浩(那覇市立病院 外科), 照屋 剛(那覇市立病院 外科), 山里 将仁(那覇市立病院 外科), 大城 健誠(那覇市立病院 外科), 川野 幸志(那覇市立病院 外科), 久高 弘志(那覇市立病院 外科), 与儀 実津夫(那覇市立病院 外科)
抄録 【症例】50歳,男性。平成13年10月22日人間ドックの腹部超音波で,膵尾部に3cm大の嚢胞性病変を指摘され腹部CTを施行した。CT上、膵尾部に3cm大の嚢胞性病変認め,隔壁を有していた。入院時血液生化学検査では、末梢血液像、生化学検査異常なく、腫瘍マーカーは正常範囲内であった。MRIでも同部位にT1強調像で低信号を呈し、T2強調像で高信号を呈する嚢胞性病変あり,辺縁smoothな嚢胞で隔壁を有しており隔壁の一部に肥厚を認めた。ERPでは膵管は狭窄、拡張ともに認めず、膵管との交通も認めなかった。膵嚢胞腺腫,膵嚢胞腺癌等を疑い手術を施行した。【手術所見と経過】開腹すると腫瘤は弾性軟で表面平滑な2cm大の嚢胞性病変で周囲への浸潤はなく,腫瘤を含む膵体尾部脾切除術を行った。摘出標本で腫瘤は、2×1.5cm大で腫瘤を切開すると多房性嚢胞がみられ,内腔には透明な漿液を有していた。組織学的には,嚢胞内面は重層扁平上皮で被われており,嚢胞壁は硝子化および線維化組織で構成されていた。その外側にリンパ濾胞の形成を伴う脾組織を認めた。膵組織とは繊維性被膜で境界され、嚢胞周囲の膵組織は圧排性に委縮し、本来の脾とは連続性がないことから膵内副脾に発生したepithelial cystと診断した。術後は、大きな合併症等なく経過安定し退院した。【結語】膵内副脾に発生した嚢胞性病変はまれであるが、膵尾部に発生した嚢胞性腫瘤につては膵内副脾に発生したepithelial cystも鑑別診断として念頭におく必要がある。文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵内副脾, epithelial cyst