| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 153:巨大な腹腔内腫瘤として認められ、術前診断が困難であった腸間膜脂肪織炎の一例。 |
| 演者 | 小澤 栄介(小城町立病院内科) |
| 共同演者 | 重松 佐代子(小城町立病院内科), 馬詰 裕之(小城町立病院内科), 畑野 雅彦(小城町立病院内科), 永島 一弥(小城町立病院内科), 佐藤 彬(小城町立病院内科), 藤原 隆(小城町立病院外科), 松山 茂樹(小城町立病院外科), 杉浦 甫(佐賀医科大学病理学教室) |
| 抄録 | 症例は79歳男性。平成14年3月全身倦怠感が出現、近医で糖尿病と診断された。診察上右側腹部に腫瘤を触知し、腹部超音波にて肝腫瘍を疑われ、精査加療のため4月8日紹介入院となった。 入院時腹部CTでは、肝下面から骨盤内にかけて8X12X14cmの境界明瞭で、被膜を有する辺縁平滑な腫瘤として描出され、内部には脂肪濃度と軟部組織濃度が混在していた。腹部MRIでは、主にT1WIで低信号域、T2WIで高信号域として描出され、脂肪の混在と思われた。内部に造影効果は認められなかった。 術前診断は困難で、脂肪肉腫など悪性腫瘍の可能性も否定できなかったため、5月16日腹腔内腫瘍摘出術を施行された。腫瘍表面を右結腸動脈が横断しており右半結腸の同時切除が必要であった。腫瘍は繊維性被膜に覆われ、内部は黄色の脂肪と褐色の壊死した脂肪によって満たされていた。脂肪周囲には繊維化と炎症細胞浸潤、血管炎が散見され、病理学的に腸間膜脂肪織炎と診断された。 本症例は、巨大な腫瘤を形成した腸間膜脂肪織炎の稀な一例と考えられ、若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | 腸間膜脂肪織炎, 腹腔内腫瘤 |