セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 185:食道原発悪性黒色腫の一例 |
演者 | 桑原 一郎(宮崎医科大学 医学部 放射線科) |
共同演者 | 宮崎 貴浩(宮崎医科大学 医学部 放射線科), 立野 太郎(宮崎医科大学 医学部 放射線科), 岩村 威志(宮崎医科大学 医学部 第1外科), 近藤 千博(宮崎医科大学 医学部 第1外科) |
抄録 | 今回我々は稀な腫瘍である食道原発悪性黒色腫の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。症例は60歳、男性。検診の上部消化管内視鏡検査(GF)にて食道に異常を指摘され、2001年7月近医を受診した。同医でのGFにて切歯から25cmより37cmの中部食道からECJ直上にかけて黒色の色素斑が散在しているのが認められた。glycogenic acanthosisが多発するものの明らかな隆起や陥凹は認めず、粘膜面は平坦であった。色素斑からの生検にて悪性黒色腫疑いと診断され、精査のため当科へ紹介入院となった。当科での再度の生検にて悪性黒色腫と診断され、生検組織上で粘膜下層への浸潤が疑われた。胸部および腹部CTではリンパ節転移や遠隔転移を疑わせる所見なく、明らかな皮膚病変も指摘できなかった。2001年8月当院第1外科にて食道亜全摘出術が施行された。病理学的には悪性黒色腫、深達度はsm、ly1、v1、n0、aw-、ow-と診断され、胃噴門腺領域にも粘膜固有層に黒色腫細胞の浸潤を認めた。食道原発悪性黒色腫は稀な腫瘍であるが報告例のほとんどは2cm以上の隆起が目立つ病変である。本例のような平坦な形態のものは我々の検索しえた範囲では同様の形態に関して言及した報告例を閲覧し得なかった。食道原発悪性黒色腫の初期像、その進展を類推する上で興味深いと思われたので、報告する。 |
索引用語 | 食道, 悪性黒色腫 |