| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 38:多発性異所性胃粘膜下嚢胞の合併により術前の深達度診断が困難であった早期胃癌の一例 |
| 演者 | 田嶋 ルミ子(熊本赤十字病院 外科) |
| 共同演者 | 平田 稔彦(熊本赤十字病院 外科), 坂本 知奈美(熊本赤十字病院 外科), 小寺 厚志(熊本赤十字病院 小児外科), 藤田 博(熊本赤十字病院 外科), 横溝 博(熊本赤十字病院 外科), 村田 和哉(熊本赤十字病院 外科), 寺倉 宏嗣(熊本赤十字病院 小児外科), 山根 隆明(熊本赤十字病院 外科), 松金 秀暢(熊本赤十字病院 外科), 中橋 栄太(熊本赤十字病院 消化器内科), 福田 精二(熊本赤十字病院 病理部) |
| 抄録 | 多発性異所性粘膜下嚢胞は比較的稀な疾患ではあるが、胃癌との合併が多いとされている。今回我々は、多発性異所性胃粘膜下嚢胞の合併により術前の深達度診断が困難であった早期胃癌の一例を経験したので報告する。症例は67歳男性。平成9年より人間ドックにて大彎側foldの腫大を認め、慢性胃炎としてフォローされていた。平成13年の人間ドックにて胃角前壁に潰瘍性病変を認め、生検にてGroup 5であったため、当院紹介受診となった。来院後再度施行した胃内視鏡にて胃角前壁にfoldの集中を伴う潰瘍性病変を認め、その周囲に粘膜下腫瘍様の隆起を認めた。超音波内視鏡にて潰瘍直下には密な多発嚢胞をみとめ、また隆起部の粘膜下も同様の所見を呈していた。しかし、大彎側foldの粘膜下は多発嚢胞を認めたが、癌部と比較するとやや疎な印象であった。以上の結果を踏まえ、更に4年前より大彎側foldの腫大に変化が見られないことより、大彎側foldには癌の浸潤の可能性は低いと判断し、幽門側胃切除術を行った。術後病理結果にて陥凹部及び隆起部のみに癌をみとめ、大彎側foldには癌の浸潤をみとめなかった。また、粘膜下の嚢胞は多発性異所性胃粘膜下嚢胞症と診断された。多発性異所性胃粘膜下嚢胞は術前の鑑別診断が困難であることが多く、また胃癌と合併すると深達度診断に困難を呈することがあるといわれている。我々の症例でも、術前診断及び深達度診断に難渋した。今回の症例を踏まえ、多発性異所性胃粘膜下嚢胞について、若干の文献的考察加えて報告する。 |
| 索引用語 | 多発性異所性胃粘膜下嚢胞, 早期胃癌 |