セッション情報 一般演題

タイトル 152:

診断に苦慮した腸間膜脂肪織炎の一例

演者 立山 雅邦(熊本地域医療センター 内科)
共同演者 陣内 克紀(熊本地域医療センター 内科), 吉田 元樹(熊本地域医療センター 内科), 安達 善充(熊本地域医療センター 内科), 清住 雄昭(熊本地域医療センター 内科), 明石 隆吉(熊本地域医療センター 内科), 相良 勝郎(熊本地域医療センター 内科), 稲吉 厚(熊本地域医療センター 外科), 吉松 俊治(熊本地域医療センター 放射線科), 蔵野 良一(熊本地域医療センター 病理部), 村田 悦男(村田胃腸科外科)
抄録 今回我々は診断に苦慮した腸間膜脂肪織炎の一例を経験したので報告する。症例は74歳男性。主訴は下腹部痛。平成14年4月上旬から下腹部痛、腹部膨満感が出現し5月1日に近医受診。その時に下部消化管内視鏡検査にて大腸ポリープと大腸憩室炎を認め、抗生剤内服受けるも改善を認めず、精査治療目的にて別の近医受診。注腸検査にて母指圧痕像を認め、また下部消化管内視鏡検査で生検の結果潰瘍性大腸炎が疑われたために6/3精査治療目的にて当センター紹介入院となった。入院時現症として左下腹部に腫瘤を触知し、渋り腹を認めた。入院時検査所見では特に異常所見は認められず、便培養も陰性であった。腹部CTでは直腸から脾彎曲部まで壁肥厚を認め、下部消化管内視鏡検査では粘膜下腫瘍様の隆起、全周性に狭窄を認めた。IVH挿入し腸管安静を図るが改善は認めなかった。また狭窄型虚血性腸炎の可能性も考え、アルプロスタジル(プロスタグランジンE1)投与行うが改善せず、狭窄症状が強いため左半結腸切除、低位前方切除術施行。病理所見では全層に炎症所見を認めるが、特に脂肪織の肥厚、線維化が強く同部位の炎症細胞が強く認められ、腸間膜脂肪織炎と診断した。腸間膜脂肪織炎は診断が困難であり、今回のように外科的処置にて確定診断がつくことも多く今回同様の経験をしたので報告する。
索引用語 腸間膜脂肪織炎, 腸管狭窄