セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 282:自然破裂を認めた巨大肝のう胞の一例 |
演者 | 巻幡 徹二(麻生 飯塚病院 肝臓内科) |
共同演者 | 上田 哲弘(麻生 飯塚病院 肝臓内科), 山下 晋作(麻生 飯塚病院 肝臓内科), 本村 健太(麻生 飯塚病院 肝臓内科), 小柳 年正(麻生 飯塚病院 肝臓内科), 坂本 茂(麻生 飯塚病院 肝臓内科) |
抄録 | 症例は67歳女性。平成12年より近医にて肝障害としてfollowされており、経過中腹部エコーにて肝のう胞を指摘されていた。前屈時に腹部つかえ感があり加療を希望されたため平成13年12月14日に当科外来紹介受診。平成14年1月4日の腹部CTにて肝左葉に18cm大の壁肥厚のないのう胞性腫瘤を認めた。肝右葉にも4cm大ののう胞を認め、膵体尾部にも1~1.5cm大ののう胞を認めた。4月3日~4月9日入院。のう胞試験穿刺にて、細菌検査では陰性であり、細胞診も異型の無い肝細胞を極少数認めるのみのClassIであった。単純性のう胞と考えられたが肝由来であることの確認と、腹満感の軽減を図るために、4月8日にエラスター針にて巨大のう胞の穿刺・持続排液を施行した。約2リットル排液した後腹部エコー上は肝由来であると考えられ、ウログラフィン注入後のCTにても肝のう胞と確認された。排液後は腹部腫瘤は触知されなくなり腹満感も消失したため退院とし、以後外来にてfollowされていた。4月30日受診時はのう胞の増大による症状出現などは認められなかったが、5月28日来院時には腹部やや膨満しており臍上まで肝のう胞触知されていた。再度穿刺排液を検討中であった。6月3日農作業後、夕方より悪寒・発熱・腹痛出現したため同日夜間救急外来受診、腹水を認め、肝のう胞破裂後と考えられたため入院。腹水中に細菌は認められなかった。腹水中に好中球が多数出現しており、のう胞液による反応性の無菌性の腹膜炎と考えられたが、安静・絶食・補液のみで腹部症状は速やかに軽快し、腹水も6月5日にはほとんど消失した。6月6日より食事再開するも腹痛は認められず発熱も認められなくなった。6月12日にCT撮影し腹水は消失していたが肝左葉ののう胞は再度緊満傾向であったため、7月16日に当院外科にて腹腔鏡下のう胞開窓術を施行した。肝のう胞の自然破裂は稀であり、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 肝のう胞, 自然破裂 |