セッション情報 |
パネルディスカッション5(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会合同)
肝拠点病院網と肝診療均てん化の現状課題
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タイトル |
肝PD5-9:山口県肝炎診療連携モデルの構築と肝炎診療連携の現状と課題
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演者 |
日高 勲(山口大附属病院・肝疾患センター) |
共同演者 |
寺井 崇二(山口大附属病院・肝疾患センター), 坂井田 功(山口大附属病院・肝疾患センター) |
抄録 |
【目的】当院は2009年2月に山口県の肝疾患診療連携拠点病院に指定され、10月に肝疾患センターを設立し、拠点病院事業に取り組んでいる。また現在30施設が山口県により肝疾患専門医療機関に指定されている。肝疾患センターでは専門医療機関などと山口県肝疾患診療連携協議会を設立し、肝疾患診療ネットワークの構築を図ってきた。特に診療連携モデルの構築に努めており、その活動を紹介する。また、県内の専門医療機関に肝炎診療連携の現状についてアンケート調査を行ったので報告する。【診療連携モデルの構築】肝疾患センターでは2009年11月に情報共有のツールとして「肝炎パスポート」を作成した。また、診療連携を推進すべく、2010年3月にIFN治療に対する「肝炎診療連携パス」を、2011年3月に肝庇護療法に対する「肝庇護療法地域連携パス」を作成した。それらをホームページ上に公開、ダウンロード可能にし、普及活動に努めてきた。さらに、「肝炎パスポート」と「肝炎診療連携パス」を用いた診療連携モデルも考案した。「肝炎パスポート」は持ち運びしやすいB6判で、簡易版IFN治療パスも記載されており、専門医療機関とかかりつけ医が「肝炎診療連携パス」を保有し、患者が「肝炎パスポート」を携帯して受診するという連携モデルであり、普及に努めている。【肝炎診療連携の現状調査】県内の専門医療機関対象に肝炎診療連携の現状についてアンケート調査を行った(回答28/30施設)。19施設が肝疾患に関する診療連携を、16施設がインターフェロン治療に対する診療連携を行っていた。連携パスについては、5施設で使用されており、2施設が当センター作成のパスを用いていた。連携パスの普及が進まない原因について肝疾患診療連携協議会でも検討したが、一因として、かかりつけ医側の高額医療費に対する保険指導の問題が判明した。【結論】「肝炎パスポート」と「肝炎診療連携パス」を用いた診療連携モデルの提案などを行い、肝炎に対する診療連携の推進に努めているが、その普及は十分とはいえず、さらなる普及活動に努めていく。 |
索引用語 |
肝炎診療連携, 連携パス |