セッション情報 一般演題

タイトル 323:

胆嚢癌と胆嚢腺筋症の鑑別困難症例について

演者 溝江 昭彦(唐津河畔病院 外科)
共同演者 中小田 和宏(唐津河畔病院 放射線科)
抄録 [はじめに]胆嚢癌と胆嚢腺筋症の鑑別に苦慮した二症例を経験したので報告する。[症例1]77歳、女性。躁鬱病で唐津保養院入院中MRSA腸炎を発症し当院に入院。腹部精査目的で施行したUS・CT・MRI検査で胆嚢壁の肥厚を認めた。胆嚢腺筋症を疑ったが、腫瘍も否定できなかった。MRSA(-)となってから再度胆嚢の精査を行い、CT・MRI上造影効果を有する壁肥厚像とERCP上胆嚢底部の不整形陰影欠損像を認めた。胆嚢癌を否定できず腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行。病理組織所見で胆嚢癌、ss,ly0,v0,pn0の所見であった。[症例2]42歳、男性。当院の人間ドックで腹部US上胆嚢壁の肥厚を認められ,精査目的で入院。US上胆嚢体・底部の不均一な壁肥厚、CT・MRI上造影効果を有する胆嚢壁肥厚を認めた。胆嚢癌を否定できず、腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行。病理組織所見で慢性胆嚢炎および胆嚢腺筋症の所見であった。[まとめ] 鑑別困難な胆嚢病変にはtotal biopsyとしての腹腔鏡下胆嚢摘出術を積極的に施行する必要があると考えられる。
索引用語 胆嚢癌, 胆嚢腺筋症