| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 5:弾力線維性仮性黄色腫に合併した上部消化管出血の一例 |
| 演者 | 角川 淑子(長崎大学 第二内科) |
| 共同演者 | 金沢 佑星(長崎大学 第二内科), 町田 治久(長崎大学 第二内科), 福田 浩敏(長崎大学 第二内科), 大原 寛之(長崎大学 第二内科), 磯本 一(長崎大学 第二内科), 福田 康弘(長崎大学 第二内科), 大曲 勝久(長崎大学 第二内科), 水田 陽平(長崎大学 第二内科), 竹島 史直(長崎大学 第二内科), 村瀬 邦彦(長崎大学 第二内科), 村田 育夫(長崎大学 大学院 薬物治療学), 河野 茂(長崎大学 第二内科) |
| 抄録 | 弾力線維性仮性黄色腫(以下PXEと略す)は全身の弾性線維の変性を来す希な結合織疾患である。PXEの合併症として上部消化管出血が知られているが、これは胃血管の弾力線維の変性に伴う血管壁の脆弱性によるものと考えられる。今回我々はPXEに伴う上部消化管出血に対してendoscopic band ligetionを施行した症例を経験したので若干の考察を加え報告する。症例は25歳女性。16歳時より7~8回の下血・貧血を認め、これまで4回入院精査を受けるも出血源は特定されていなかった。今回タール便の原因精査目的にて当科に入院となった。入院時の現症にて頸部、腋窩、鼡径部に黄白色の皮疹があり眼底にも右眼網膜色素線条症を認めたため、PXEと診断された。上部消化管内視鏡検査を施行したところ胃全体の粘膜下に拡張した血管を認めた。弓隆部後壁の血管拡張部には表面にびらんを伴う血管の瘤状膨隆を認め、同部位が消化管出血の原因部位と考えられた。血管造影では脾門部に動脈瘤を認めたが、胃の血管には異常が認められなかった。このため内視鏡的に弓隆部後壁のびらん部にendoscopic band ligetionを行った。術後2日目にタール便出現したため緊急上部消化管内視鏡検査を施行したところbandの脱落を認めた。同部位には活動性の出血は認められないものの潰瘍を形成しており露出血管も認めたため、露出血管に対してクリッピングを施行した。その後再出血は認められず、1週間後に施行した内視鏡検査では拡張した血管もligetion施行部のoral側は拡張したままであったがanal側は虚脱していた。術後半年以上が経過しているが現在までのところ再出血は認められていない。 |
| 索引用語 | 弾力線維性仮性黄色腫, 上部消化管出血 |