| セッション情報 |
一般演題
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| タイトル |
55:十二指腸狭窄を伴ったGroove pancreatitisの3例
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| 演者 |
二宮 繁生(有田胃腸病院 ) |
| 共同演者 |
石川 浩一 (有田胃腸病院 ), 板東 登志雄(有田胃腸病院 ), 阿部 寿徳 (有田胃腸病院 ), 佐藤 俊三(有田胃腸病院 ), 有田 毅(有田胃腸病院 ) |
| 抄録 |
十二指腸狭窄を伴ったGroove pancreatitisを3例経験したので報告する。(症例1) 38歳、男性。上腹部痛、背部痛を主訴に受診。Lap-Cの既往あり。生活歴はビール大瓶2本/day。入院時検査成績ではamylase 262 IU/l, lipase 121IU/l, Elastase I 453 ng/dl と膵酵素の上昇。腹部CTにて十二指腸壁の肥厚、膵頭部ならびに十二指腸下行脚との間にfluid collection。低緊張性十二指腸造影(HDG)では十二指腸下行脚の狭窄。ERCPでは異常所見なし。以上よりGroove pancreatitisと診断し、保存的治療を行い、軽快。 (症例2) 60歳、男性。上腹部痛、嘔気を主訴に受診。Lap-C、十二指腸潰瘍の既往あり。また焼酎2合/dayの飲酒歴あり。腹部CTにて十二指腸壁肥厚、膵頭部腫大、また周囲の脂肪組織のfat densityの上昇。HDGでは十二指腸下行脚に狭窄像。狭窄部を内視鏡が通過せず、ERCP像は得られず。MRCPでは異常所見は認めず、Groove pancreatitisと診断。保存的治療後も症状軽快せず、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PpPD)を施行。病理組織検査ではgroove領域を中心とした線維化、腺房細胞の変性。悪性所見なし。(症例3) 51歳、男性。食後の背部痛を主訴に当院外来受診。入院時検査成績にてamylase 366 IU/l, lipase 229 IU/lと膵酵素の上昇ならびにCA19-9が48.6 IU/lと上昇。腹部CTにて膵頭部の著明な腫大、十二指腸壁肥厚ならびに周囲の脂肪組織のdensityの上昇。HDGでは十二指腸下行脚に全周性の狭窄。ERCPでは総胆管、主膵管に明らかな異常所見は認めず。また十二指腸球部の生検では悪性所見を認めず、Groove pancreatitisと診断した。保存的治療後も症状は軽快せず、PpPDを施行。病理組織検査では、悪性所見は認めず、Groove pancreatitisの診断であった。(まとめ) Groove pancreatitisは保存的治療が奏功するが、効果を認めない場合にはPpPDが有効である。 |
| 索引用語 |
groove pancreatitis, PpPD |