| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 239:十二指腸瘻を形成したCrohn病の1例 |
| 演者 | 田中 朋子(長崎大学 附属病院 第1外科) |
| 共同演者 | 高木 克典(長崎大学 附属病院 第1外科), 持永 浩史(長崎大学 附属病院 第1外科), 吉永 恵(長崎大学 附属病院 第1外科), 長谷場 仁俊(長崎大学 附属病院 第1外科), 山下 秀樹(長崎大学 附属病院 第1外科), 辻 孝(長崎大学 附属病院 第1外科), 澤井 照光(長崎大学 附属病院 第1外科), 中越 亨(長崎大学 附属病院 第1外科), 中村 研二(国立嬉野病院 内科), 朝長 道生(朝長医院) |
| 抄録 | 【緒言】瘻孔形成はCrohn病に伴う病態として特徴的な所見の1つであるが、結腸十二指腸瘻の報告は稀である。今回われわれは、回腸横行結腸吻合部と十二指腸との間に内瘻を形成し、さらに右下腹部へ外瘻を生じたCrohn病の1例に対して外科治療を行い良好に経過しているので報告する。【症例報告】1992年9月に腹痛で発症し、1997年7月3日、前医にて右半結腸切除術を施行された22歳、女性のCrohn病患者が、2001年11月13日、十二指腸瘻のため長崎大学第1外科に入院となった。回腸横行結腸吻合部と十二指腸との間に内瘻を形成し、さらに右下腹部と外瘻を形成していた。また、吻合部の口側回腸も巻き込まれて通過障害を来たし、さらに口側腸管の拡張がみられた。吻合部より遠位側の結腸は伸展不良・敷石状外観を呈し、S状結腸には狭窄が認められた。11月29日、結腸亜全摘術+十二指腸瘻閉鎖術+有茎大網被覆+胃瘻造設術を施行した。切除された腸管には縦走潰瘍や狭窄が見られ、組織学的に粘膜固有層・粘膜下層には線維化・小出血を認め、リンパ濾胞形成や全層性の炎症細胞浸潤、さらに多核巨細胞を伴う非乾酪性類上皮性肉芽腫が散見され、Crohn病として矛盾しない像であった。術後2週間で経口摂取開始し、術後4週目に胃瘻チューブ抜去、12月26日退院となった。【考案】Crohn病に伴う結腸十二指腸瘻の原因として過去に受けた回腸結腸吻合術は重要である。Crohn病患者は術後吻合部周辺に内瘻を形成する可能性があり、吻合部を重要臓器の近くに位置させない注意が必要である。十二指腸瘻閉鎖術を施行する際、有茎大網による被覆は有効な付加手術であると考えられる。 |
| 索引用語 | Crohn病, 十二指腸瘻 |