| 抄録 |
大腸癌再発転移例に対する化学療法は、l-leucovorin(LV) +5Fuが一般的であるが、最近CPT-11を併用した多剤化学療法が報告されている。当科においても大腸癌術後に両側腎転移をきたした症例にCPT-11、 LV,5Fuの3剤の多剤化学療法を実施し著効した症例を経験したので報告する。症例患者は52歳女性平成10年11月25日Rsの大腸がんに対して低位前方切除術を施行した。2型H0,P0、SE,N(+)M(-) CurAで組織学的にはwell、se、v(+)、y(+) であった。術後外来にてUFT-E300mgの経口投与を4ヶ月間行ったが、頑固な下痢が出現し径口剤は以後中止されていた。平成14年3月頃よりCEAの軽度上昇が認められるようになり、5月腹部CTにて両側腎にLDAをみとめ腎転移の診断にて8月入院となった。 入院後中心静脈栄養チューブを挿入し、cpt-11を週一回80mg/bodyを毎週月曜日、その後4日間をLV 400mg/day、5Fuを500mg/day を1クールとして計3回実施した。副作用としての重篤な下痢が出現したため化学療法を中止した。施行前CEAは20.6mgまで上昇したが化学療法施行後には2.6mgまで低下しCTでも転移巣の著名な縮小を認めた。 再発大腸癌に対するCPT-11、LV、5Fuの3者併用化学療法については投与量、投与スケジュール、投与期間、有効率やその副作用の評価などまだスタンダードなものがない。文献的に検索しその有効率等を報告する。 |