セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
17:17年間無治療で経過観察された早期胃癌の一例
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演者 |
大城 崇司(国立病院長崎医療センター 外科) |
共同演者 |
古川 正人(国立病院長崎医療センター 外科), 酒井 敦(国立病院長崎医療センター 外科), 佐々木 誠(国立病院長崎医療センター 外科), 宮下 光世(国立病院長崎医療センター 外科), 徳永 祐二(国立病院長崎医療センター 外科), 辻 博治(国立病院長崎医療センター 外科), 神田 聡(国立病院長崎医療センター 外科), 伊東 正博(国立病院長崎医療センター 病理) |
抄録 |
近年侵襲性の少ない内視鏡治療の発達により早期胃癌は根治治療の対象となるため、早期胃癌を長期間無治療で経過観察した症例はまれである。今回我々はIIc型早期胃癌と診断したが、本人が治療を拒否したためその後17年間無治療で経過を観察した症例を経験したので報告する。症例は69歳男性。昭和59年11月7日(51歳時)に直腸癌と診断され腹会陰式直腸切断術を施行された(Well differentiated adenocarcinomass, n(-), P0, H0, M(-), stageII)。昭和60年5月(52歳時)上腹部痛出現、胃潰瘍として内服治療を受けていた。精査のため同年9月9日上部消化管内視鏡検査を施行した。胃体下部後壁に粘膜ひだ集中を伴う浅い陥凹性病変(IIc型)を認め、生検の結果GroupV, moderately differentiated adenocarcinoma (tub2)であった。手術を 勧めたが本人が拒否したため定期的に経過観察することになった。患者はその間併存症としてとしてアルコール性肝障害、慢性膵炎、糖尿病、脊柱管狭窄症、慢性動脈閉塞症(平成6年1月31日右総腸骨動脈~大腿動脈バイパス術)を指摘されている。胃癌確診時より17年間で経7回の上部消化管内視鏡検査をうけているが、形態的な変化を認めず、またその他腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)も正常で、CT上も肝転移、リンパ節転移を認めないため69歳の現在まで無治療で経過を観察している。加療しないで放置していても長期間進行しない早期胃癌症例を経験し、自然経過を知るうえで貴重な症例と思われたので報告する。 |
索引用語 |
早期胃癌, 長期間経過観察 |