セッション情報 一般演題

タイトル 12:

アルゴンプラズマ凝固療法(APC)が有効であった胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)の2例

演者 大谷 響(佐賀医科大学 内科)
共同演者 吉川 敦(佐賀医科大学 内科), 藤瀬 剛弘(佐賀医科大学 内科), 松永 圭司(佐賀医科大学 内科), 小田 佳代子(佐賀医科大学 内科), 大谷 顕史(佐賀医科大学 内科), 中原 伸(佐賀医科大学 内科), 綱田 誠司(佐賀医科大学 内科), 坂田 祐之(佐賀医科大学 内科), 岩切 龍一(佐賀医科大学 内科), 藤本 一眞(佐賀医科大学 内科)
抄録 1例目;症例は81歳、女性。高血圧症にて近医通院中であった。2000年より貧血出現、GIFにて潰瘍は認めないが、胃前庭部に毛細血管拡張所見を認め、以降定期的にフォローされていた。2001年には同部よりの出血によると考えられる貧血の進行を認め、加療目的に当院紹介、入院となった。入院時の内視鏡にて、前庭部に広範に広がるwater melon mask様の毛細血管拡張像あり、生検にて胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)の診断を得た。同部に対し、アルゴンプラズマ凝固療法(APC)を施行。範囲が広く、計4回にわたりAPCを施行した。これにより、GAVEは著明に改善し、また貧血の改善もみた。以降近医にてフォローしているが再発の所見は認めていない。
2例目;74歳、女性。CREST症候群にて近医通院中であった。貧血の精査目的にGIF施行、前庭部に広がる毛細血管拡張病変を認め、GAVEの診断。鉄剤等の治療にても貧血改善無く、同部よりの間欠的な出血を疑われ、精査加療目的に当科紹介、入院となった。本症例に対しては、APCを計3回施行した。以降貧血の進行無く、また病変の再発も認めていない。
GAVEは未だ原因不明の特異的な病態をとる疾患で、合併症として貧血が問題となる。これに対して、APCによる加療が有効である。今回我々は2例の症例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 GAVE, APC