セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 289:原発性硬化性胆管炎にMetallic stentを留置した症例の長期経過 |
演者 | 宮瀬 秀一(済生会熊本病院消化器病センター) |
共同演者 | 横峯 和典(済生会熊本病院消化器病センター), 浦田 淳資(済生会熊本病院消化器病センター), 上川 健太郎(済生会熊本病院消化器病センター), 近澤 秀人(済生会熊本病院消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院消化器病センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院病理), 田中 宏史(自衛隊熊本病院内科) |
抄録 | 【目的】我々は胆管内瘻術としてmetallic stentを留置した原発性硬化性胆管炎(PSC)の1例を第1回日本肝臓学会大会において報告したが,現在治療後6年経過したので追加報告する.【患者】54歳,男.【主訴】発熱.全身倦怠感.【現病歴】平成元年より自衛隊熊本病院にてPSCと診断.同2年より潰瘍性大腸炎も合併.肝障害や黄疸に対してウルソデオキシコール酸(UDCA)やステロイド剤が投与されていたが,胆汁うっ滞型肝障害が次第に進行し,同8年8月MRCPにて肝管の狭窄や肝内胆管の拡張もあり,当院にて内視鏡的に胆管内瘻術としてmetallic stent留置術を施行.肝生検では病期・期と診断.治療後,生化学上は改善,ときおり胆管炎は認めたが,抗生物質投与で軽快.同13年に食道静脈瘤に対して,内視鏡的に硬化療法を施行.同14年9月再び黄疸を伴う胆汁うっ滞型肝障害の増悪あり,当科入院となった.【現症】黄染軽度,貧血軽度あり.臍上部に静脈拡張あり,肝は触知せず,脾は濁音界の拡大あり.浮腫なし.【検査成績】WBC 3200,Hgb 9.3g/dl,Plats 12.4万,Alb 2.8g/dl,T.Bil 4.0g/dl, GOT 90IU/l,GPT 96IU/l,ALP 1082IU/l,γ-GTP 233IU/l,ChE 54IU/l,CRP 2.17mg/dl,PT 83.1%【経過】治療は抗生物質の投与を行い,生化学上は改善傾向.ERCPでは,metallic stent 内は粘膜の増殖により内腔は軽度狭窄,肝管部および肝内胆管も不整に狭窄していたが,内瘻術や拡張術を追加できる部位は認めず,病期の進行が考えられた.【結論】PSCの治療としてはUDCAなどの投与や胆管狭窄部の拡張術や胆道内外瘻術が行われてきたが,特に有効とは言えない.本症例のように胆管狭窄部位が肝外型で,内視鏡的にmetallic stentによる内瘻術が施行できれば,長期間で比較的良好な結果を得られ,肝移植以外に有効な治療のない現状では,有効な治療法であると考えられた. |
索引用語 | 原発性硬化性胆管炎, ステント治療 |