セッション情報 一般演題

タイトル 164:

クローン病経過中に大腸腺腫を合併した一例

演者 吉川 敦(佐賀医科大学 消化器内科)
共同演者 雨森 貞浩(佐賀医科大学 消化器内科), 藤瀬  剛弘(佐賀医科大学 消化器内科), 大谷 響(佐賀医科大学 消化器内科), 小田 佳代子(佐賀医科大学 消化器内科), 中原 伸(佐賀医科大学 消化器内科), 綱田 誠司(佐賀医科大学 消化器内科), 坂田 裕之(佐賀医科大学 消化器内科), 岩切 龍一(佐賀医科大学 消化器内科), 藤本 一眞(佐賀医科大学 消化器内科)
抄録 症例は26歳男性。1997年7月頃より腹痛、下痢、下血が出現し近医受診。クローン病と診断され、5-ASA、ステロイド内服開始。症状は速やかに軽快し、以後経過良好であった。2002年3月当院紹介受診。精査目的にて2002年3月26日に注腸造影検査施行。脾彎曲から下行結腸にかけて多発する山田3、4型のポリープが認められ、多発炎症性ポリープと考えられた。しかしSD付近に2cmの大きな山田4型ポリープが認められ、上皮性の病変が混じている可能性が考えられたため、4月9日に大腸内視鏡検査施行。下行結腸に炎症性ポリープが多発しており、SD付近に2cmの粗大な発赤を伴う山田4型ポリープが認められた。同部位より生検行いGroup3,Tubular adenoma with moderate atypiaの病理結果が得られた。EMR目的にて8月1日当院入院。入院時臨床症状なく炎症反応も認めなかった。8月8日大腸内視鏡を用いてEMR施行。術後の病理診断は術前と同様、Tubular adenoma with moderate atypiaであった。考察:慢性炎症性腸疾患に合併する腫瘍性病変についてはいまだに不明な点が多く、この症例の増加がみられるわが国において重要な検討テーマのひとつである。その中で潰瘍性大腸炎に発生する腫瘍病変に比べ、クローン病に合併する腫瘍病変の報告は少数である。今回我々はクローン病に合併した大腸腺腫の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 クローン病, 大腸腺腫