セッション情報 パネルディスカッション5(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会合同)

肝拠点病院網と肝診療均てん化の現状課題

タイトル 肝PD5-14:

B型・C型慢性肝炎患者に対する医療費助成の効用についての検討

演者 板倉 潤(武蔵野赤十字病院・消化器科)
共同演者 泉 並木(武蔵野赤十字病院・消化器科)
抄録 【目的】東京都では2007年よりB型・C型慢性肝炎に対するインターフェロン(以下IFN)治療に対し公的医療費助成制度が施行され、療養費負担の軽減が図られた。2010年の改訂で助成対象は拡大され、これらの制度施行・改訂が慢性肝炎治療に及ぼした効果については興味深いところである。今回2006年からの当科における医療費助成制度利用者について検討を行い、助成制度発足・改訂による患者動向の変化について検討を行った。【方法】当院における2006-2010年度B型慢性肝炎患者、C型肝炎患者の医療費助成利用割合およびその詳細を各年度別に比較した。【結果】B型慢性肝炎に対する助成制度利用者は2009年度までは5-10人程度であったが、2010年度に急増し、そのほとんどは核酸アナログ製剤投与患者であった。申請時期は4-6月に集中、その後は各月5-8人程度であった。一方IFN治療患者の年度毎利用率は33%から80%までばらついた。C型慢性肝炎に対するIFN治療導入患者数は2007、8年度を最大に、2010年度は150人程度にとどまった。しかし医療費助成制度利用者は2006年度約40%であったが、2009年度以降は約80%程度となった。いずれの年度も初回・再治療患者比率は65%程度で変化なく、治療内容もガイドラインに記載された治療法が8-9割を占めた。治療内容により助成利用率は異なっており、2010年度はPEG型IFN・リバビリン併用治療では85%であったが、IFN単独、PEG型IFN単独、β型IFN単独またはリバビリン併用療法では25-60%に留まった。【結論】慢性ウイルス性肝炎に対する公的医療費助成制度の改訂により、恩恵を受けられる症例は増え、対象症例にばらつきがあるものの治療導入に対する障害は軽減されたと考えられた。今後B型・C型慢性肝炎に対し新規治療が導入されることが予想される。これらの治療が助成対象となればより患者を治療へ導きやすくなり、治療患者数も増加すると考えられる。今後啓発活動を推進し、さらに医療費助成制度を利用した肝発癌防止に努めることが重要と考えられた。
索引用語 医療費助成, 肝疾患