セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
226:TS-1単剤投与でCRが得られた胃癌のリンパ節再発の一例
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演者 |
田中 雅之(武雄市立 武雄市民病院 外科) |
共同演者 |
鮫島 隆一郎(武雄市立 武雄市民病院 外科), 光野 真由美(武雄市立 武雄市民病院 外科), 樋高 克彦(武雄市立 武雄市民病院 外科) |
抄録 |
【患者】63歳、男性。【主訴】心窩部および背部痛。【既往歴】平成9年7月(59歳):他院で早期胃癌(sm、n1(#3)、tub2、ly1、v1、Stage1b)にて幽門側胃切除+1群リンパ節郭清施行。【現病歴】平成14年5月7日心窩部および背部痛出現。翌8日近医受診、腹部エコーで膵周囲リンパ節腫大を認め、同日精査加療目的に当院紹介となった。【入院時現症】身長162cm、体重51kg。心窩部痛、背部痛を認めるのみで眼瞼結膜に貧血を認めず。鎖骨上リンパ節腫脹や、腹部の腫瘤など認めなかった。【血液検査】WBC13900/mm2、LDH739 IUと上昇を認めたがその他の血算、生化学検査では特記すべき異状を認めなかった。腫瘍マーカーはCEA27.3ng/dl、CA19-9 98U/mlと上昇していた。また、IL-2Rは731U/mlと中等度上昇していた。【画像診断】腹部CT、エコー、MRI、MRCP施行し、肝門部から膵体部にかけての不整形の腫瘤、腹腔、上腸間膜、総肝、脾動脈周囲に著明に腫大したリンパ節を多数認めた。明らかな肝転移、腹水などは認めなかった。【入院後経過】悪性リンパ腫の可能性も考え、Ga-シンチ等施行したが否定的であった。その後も、CEA、CA19-9値上昇が続く為、胃癌の再発の可能性が最も強いと考え、6月17日より外来にてTS-1 100mg/day 投与を4週2休で開始した。1クール終了時点の腹部CTで前回認められていた腫瘤および腫大リンパ節は著明に縮小、ほとんど描出されなかった。腫瘍マーカーもCEA 33.9から10.4、Ca19-9 120から58まで著明に減少した。1クール終了後Grade 2の下痢を認めたため80mg/dayへ減量したがその後は副作用無く2クール終了し、今後も継続投与予定である。【結語】今回、TS-1単剤投与で画像上CRの得られた、胃癌術後リンパ節再発の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
再発胃癌, TS-1 |