セッション情報 |
シンポジウム1
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タイトル |
S1-006:肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼療法(PRFA)における局所再発例の検討
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演者 |
清家 正隆(大分医科大学 医学部 第一内科) |
共同演者 |
森 哲(大分医科大学 医学部 第一内科), 本田 浩一(大分医科大学 医学部 第一内科) |
抄録 |
【目的】肝細胞癌の治療戦略上、内科的局所制御の中心である経皮的ラジオ波焼灼療法(PRFA)の適応と限界を明らかにするため、現在まで行われてきた症例の局所再発症例の検討を腫瘍径と腫瘍数において行った。【対象と方法】血管造影(IVR)下のPRFAを129症例、283結節、404セッション行ってきたが、3ヶ月以上経過観察できた102症例、213結節を対象とした。平均年齢は68.4歳。背景肝の成因はHBV/HCV/HBV+HCVC/NBNCはそれぞれ8/87/1/6症例である。平均セッション数1.4回、平均観察期間は13.5ヶ月。穿刺電極はRadionics社製、Radiotherapeutics社製、Aloka社製をそれぞれ102/1/199結節に用いた。超音波装置はAloka社製5500を用いた。【成績】1)全結節中、腫瘍径での再発率は~9mm;0/2(0%)、10~19mm;2/96(2.1%)、20~29mm;4/74(5.4%)、30~39;7/31(22.6%)、40~49mm;0/1(0%)、50mm ~;3/5(60%)。3cm未満の結節では3.5%の局所再発率であった。2)腫瘍径30mm未満82結節の腫瘍個数での検討では1個のみ2.4%、2個8%、3個0%、4個0%、5個以上20%。3)再発症例の原因は、導入初期に技術的未熟であったこと、術後の判定が不十分であったためなどである。4)合併症は熱傷2例、血胸1例で重篤な合併症はなかった。【まとめ】当科では肝細胞癌の治療戦略の中心にPRFAとリザ-バ-動注療法を据え、さらに再発予防にはIFNを導入している。PRFAでは人工胸水、CT assist、CO2angiographyを積極的に導入し、穿刺困難例はほとんどなくなった。また、CTA、CTAPを導入し腫瘍数の正確な把握が可能になった。同一のチ-ムで医師がそれぞれ超音波ガイド下穿刺、血管造影を行うため、これらの手技を速やかに組み合わせることにより、治療の選択の幅が広がり、総合的な戦略が可能となった。【結語】3cm未満の肝細胞癌であれば腫瘍個数に関係なくPRFAは可能である。 |
索引用語 |
肝細胞癌, ラジオ波焼灼療法 |