セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 236:B-RTOが奏効した十二指腸静脈瘤の一例 |
演者 | 雨森 貞浩(佐賀医科大学 内科) |
共同演者 | 江口 有一郎(佐賀医科大学 内科), 小林 由美(佐賀医科大学 内科), 川副 広明(佐賀医科大学 内科), 安武 努(佐賀医科大学 内科), 綱田 誠司(佐賀医科大学 内科), 水田 敏彦(佐賀医科大学 内科), 尾崎 岩太(佐賀医科大学 内科), 山本 匡介(佐賀医科大学 内科), 加藤 明(佐賀医科大学 放射線科), 松本 幸一(佐賀医科大学 放射線科), 工藤 祥(佐賀医科大学 放射線科) |
抄録 | 【はじめに】十二指腸静脈瘤は比較的まれな疾患であり,本邦では腹部手術の既往のある肝硬変をはじめとする門脈圧亢進症症例に見られ,現在までに約120例が報告されている。我々はB-RTOが奏効した破裂十二指腸静脈瘤を経験したので報告する。【症例】77歳男性。73歳時に開腹にて胆嚢摘出術施行された。その際初めてHCV抗体陽性,肝硬変を指摘されたが放置。平成14年8月黒色便を主訴に近医を受診,上部内視鏡にて食道・胃静脈瘤は認めず,十二指腸下行脚にフィブリン栓の付着を伴うF3 formの静脈瘤を認め出血源と診断され,当院へ紹介された。腹部CTにて十二指腸下行脚下面から背側に拡張,蛇行した側副血行路の発達を認め,静脈瘤への流入静脈は上腸間膜静脈,流出静脈は下大静脈と診断し,第三病日に5%EO及び無水エタノールを用いてB-RTOを施行した。その後,上部内視鏡にて静脈瘤の変性を思わせる色調の変化と縮小を認め,腹部CTでも静脈瘤の血栓化および縮小を認めた。現在も内視鏡にて経過観察中であるが再発は認めていない。【考案と結語】十二指腸静脈瘤に対する治療法としてIVR,内視鏡的,さらに手術療法に分けられるが手術療法は十二指腸静脈瘤の基礎疾患として我が国では肝硬変を有していることがほとんどであり,術後合併症のリスクから全例に安全に行える方法ではなく,最近では技術の進歩とともに内視鏡およびIVRによる報告例が増えている。結紮術および硬化療法などの内視鏡的治療は緊急止血術としては効果的であるが再発を危惧する報告もある。一方,IVRは待期的のみならず破裂例においても血行動態を把握し短絡路まで含めた治療が可能であり優れた方法であると考えられた。 |
索引用語 | 十二指腸静脈瘤, BRTO |