セッション情報 |
パネルディスカッション6(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
非切除胆道癌の治療のコンセンサス
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タイトル |
消PD6-1:切除不能進行胆道癌に対する胆道部位別の治療成績
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演者 |
佐々木 隆(東京大・消化器内科) |
共同演者 |
伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】近年進行胆道癌に対する化学療法の報告が増えてきているが、切除不能例に限定した報告は少ない。さらには切除不能進行胆道癌に対する胆道部位別の検討はほとんどなく、各胆道部位別の治療成績についてははっきりしていない。そこで切除不能進行胆道癌に対する胆道部位別の治療成績について検討する。【方法】対象は、東京大学医学部附属病院およびその関連施設において、2002年1月から2010年12月までに切除不能進行胆道癌(術後再発および乳頭部癌6例は除く)に対してGEMおよびS-1を用いた全身化学療法を施行した194例。胆道部位別の治療成績について検討を行った。【成績】(胆嚢癌)N=86、年齢中央値70歳、M/F = 39/47、PS 0/1/2-3 = 36/40/10、局所進行/遠隔転移 = 18/68、GEMS-1/GEM/S-1 = 34/46/6。Median TTPはGEMS-1/GEM/S-1 = 5.1/4.4/3.5ヵ月。Median OSはGEMS-1/GEM/S-1 = 9.2/7.5/7.2ヵ月。(肝内胆管癌)N=73、年齢中央値66歳、M/F = 48/25、PS 0/1/2-3 = 24/43/6、局所進行/遠隔転移 = 17/56、GEMS-1/GEM/S-1 = 32/31/10。Median TTPはGEMS-1/GEM/S-1 = 6.1/5.5/2.7ヵ月。Median OSはGEMS-1/GEM/S-1 = 11.7/9.6/7.3ヵ月。(肝外胆管癌)N=35、年齢中央値68歳、M/F = 26/9、PS 0/1/2-3 = 17/16/2、局所進行/遠隔転移 = 7/28、GEMS-1/GEM/S-1 = 17/15/3。Median TTPはGEMS-1/GEM/S-1 = 5.7/5.5/8.1ヵ月。Median OSはGEMS-1/GEM/S-1 = 11.5/11.1/14.9ヵ月。【結論】切除不能進行胆道癌において、胆道部位別にその治療成績に違いを認めた。肝内胆管癌および肝外胆管癌と比較して、胆嚢癌の予後は不良であった。治療法別では、胆嚢癌と肝内胆管癌ではGEMS-1併用療法はGEMやS-1単剤治療と比較して治療成績が良い傾向にあった。一方で肝外胆管癌では、GEMS-1併用療法とGEMおよびS-1単剤療法であまり治療成績の違いが認められなかった。 |
索引用語 |
胆道癌, 化学療法 |