セッション情報 |
パネルディスカッション6(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
非切除胆道癌の治療のコンセンサス
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タイトル |
消PD6-3:切除不能/再発胆道癌に対する予後因子の検討
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演者 |
羽場 真(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科) |
共同演者 |
原 和生(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 清水 泰博(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科) |
抄録 |
【目的】当院における切除不能/術後再発胆道癌(胆嚢癌,胆管癌)に対する化学療法(化療)の成績を検討し,その予後因子を明らかにすること.【対象】2001年1月~2009年12月に当院で切除不能/再発胆道癌と診断し,化療を施行した79例(男 41例;女 38例.平均 63.6±10.5歳).【方法】全生存期間(OS),無増悪生存期間(PFS)を解析した.年齢;性;PS;膵胆管合流異常(PBM)の有無;原発臓器(胆嚢,胆管);Stage;原発巣(非切除 / 切除後);切除不能因子;化療前の腫瘍マーカー(CEA,CA19-9);胆道ドレナージ(BD)の有無;GEM使用の有無;2次治療への移行の有無の各項目について,生存期間に関わる因子を検討した.【結果】胆嚢癌 62例(術後再発 10例),胆管癌 17例(術後再発 9例)で,化療開始時のStage(IVa / IVb;胆道癌取扱い規約)は胆嚢癌が6 / 56例,胆管癌が4/13例であり,切除不能因子( 肝転移(H) / 3群リンパ節転移(N) / 腹膜播種 / 遠隔転移(H,Nを除く) / 局所過伸展 )は,胆嚢癌 27 / 19 / 4 / 6 / 6 例,胆管癌 7 / 3 / 3 / 2 / 2例であった.化療前にBDを要したのは45例, PBMの合併は13例(いずれも胆管非拡張型)であった。化療開始時のPS(0 / 1 / 2 / 3)は60 / 17 / 1 / 1例であった。初回化療の内容は、GEM単剤 44例;S-1単剤 7例;GEM+S-1 4例;その他 24例で,28例が2次治療へ移行した.全治療過程でGEMを使用した症例は52例であった.OS / PFS(中央値)は全体 7.8 / 2.5 ヵ月で,原発臓器別には胆嚢 6.9 / 2.0ヵ月,胆管 17.4 / 7.5ヵ月であった.また,多変量解析にて年齢,原発臓器,Hの有無,PBMの有無,2次治療への移行が生存期間に寄与する因子であった.【考察】当院での胆道癌に対する化療の成績は,既報と同程度であった.今回の検討においては年齢,原発臓器,肝転移の有無等が生存期間に寄与する因子と考えられた.今後の新規治療においてもこれらの因子を層別化したうえで予後について検討する必要がある. |
索引用語 |
胆道癌, 予後因子 |