セッション情報 一般演題

タイトル 184:

特発性食道破裂によると考えられた縦隔気腫の一例

演者 野口 亮(佐賀医科大学 一般・消化器外科)
共同演者 佐藤 清治(佐賀医科大学 一般・消化器外科), 篠崎 由賀里(佐賀医科大学 一般・消化器外科), 阪本 雄一郎(佐賀医科大学 一般・消化器外科), 中房 祐司(佐賀医科大学 一般・消化器外科), 宮崎 耕治(佐賀医科大学 一般・消化器外科)
抄録 【はじめに】特発性食道破裂は様々な原因による食道内圧の上昇を誘因とし、成人男性に頻度の高い疾患である。今回、若年女性で頻回の嘔吐が原因と考えられ、透視上明らかな穿孔の所見を認めず、縦郭ドレナージと胃チューブ留置にて軽快した特発性食道破裂の1例を報告する。【症例】16歳女性。主訴は嘔吐。新生児仮死、多発奇形症候群による精神発達遅滞で当院小児科フォロー中の患者。平成12年1月6日17時頃より頻回の嘔吐出現し、以前より便秘症にて同様の症状出現しGEにて軽快していたため同処置で対応していたが、症状改善せず1晩中嘔吐を繰り返していた。1月7日昼前より突然苦しがる様子を見せた為、近医を受診。イレウス疑いで当科紹介された。来院時、前屈状態で苦しがる様子。全胸部、心窩部に皮下気腫を認めた。上腹部は緊満するも圧痛は本人の訴えがない為不明。採血上炎症所見の上昇を認めた。胸部単純X線上、頸部まで拡大する縦隔気腫を認め、胃がairにて著明に緊満していた。気胸の所見はなかった。胸腹部CTで食道周囲のfree airを認め、胃が著明に拡大するとともに幽門輪の肥厚が認められた。食道破裂を疑い、上部消化管造影施行したところ、食道周囲のfree airは認めるものの明らかな造影剤の縦隔内へのLeakageは認められなかった。そこで、鎖骨上から縦隔ドレナージ、及び胃チューブ挿入し減圧を図り抗生剤にて保存的に経過を見た。同日胃管からの排液は1000ml認められた。入院後の経過は4日目に胃管抜去。7日目の上部消化管造影にてLeakage認めず。10日目に縦隔ドレーン抜去し経口摂取を開始した。以後炎症所見の増悪など認めず、胸部X線写真にても縦隔内のFree Airは改善し再燃等認めないため入院後19日目に退院となった。
索引用語 特発性食道破裂, 縦隔気腫