セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
225:Gemicitabineが原因と考えられた薬剤性肺炎を合併した膵癌の1例
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演者 |
明石 哲郎(九州大学 病態制御内科 (第三内科)) |
共同演者 |
伊藤 鉄英(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 河辺 顕(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 樋口 奈緒美(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 有田 好之(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 大野 隆真(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 井上 直子(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 小島 瑞穂(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 宜保 淳也(九州大学 病態制御内科 (第三内科)), 小柳 修二郎(九州労災病院 消化器内科), 名和田 新(九州大学 病態制御内科 (第三内科)) |
抄録 |
症例は75才,女性.平成13年12月下旬に白色便を自覚し近医受診した。腹部エコーにて膵頭部に腫瘤を認め、精査目的で入院。画像上、膵頭部に4cm大の上腸管膜動静脈、門脈に浸潤する腫瘤性病変を認めた。入院中に進行した閉塞性黄疸に対し、内視鏡的逆行性胆道ドレナージチューブ挿入された。その時の胆汁細胞診では、Class V, 腺癌の病理診断であった。その後、黄疸は改善傾向認め、平成14年2月18日に加療目的で当院紹介入院となった。当院転院後、閉塞性黄疸の増悪を認め、内視鏡的に自己拡張型金属ステントの挿入を行った。その後、順調に減黄し、局所進行膵癌の診断で放射線化学療法(Gemicitabine 40mg/m2X2/週, total40Gy)を施行した。放射線化学療法終了後のCTでは原発巣の縮小を認め、引き続きGemicitabine 1000mg/m2の全身化学療法を施行した。1クール終了時のCTで肝転移の出現を認めた。1クールの休薬期より、38℃代の発熱、呼吸困難を認めた。胸部単純X線、CTにて両肺に間質性変化を認め、間質性肺炎の所見であった。同日よりステロイドパルス療法施行、次第に肺炎は改善し、ステロイド50mg投与に切り替え、その後漸減、中止したが再燃は認めなかった。しかし、その後膵癌は進行し、全身状態悪化したため、放射線療法開始後、4ヶ月で死亡となった。膵癌でのGemcitabineによる薬剤性肺炎の報告は少なく, Gemcitabine投与時には,薬剤性肺炎を念頭におき,慎重な経過観察が必要であると考えられた. |
索引用語 |
膵癌, 間質性肺炎 |