セッション情報 一般演題

タイトル 217:

短期間で主膵管の拡張が改善したIntraductal papillary mucinous tumor の1例

演者 竹山 泰雄(福岡逓信病院 内科)
共同演者 安田 大助(福岡逓信病院 内科), 寺井 裕二(福岡逓信病院 内科), 樋口 和巳(福岡逓信病院 内科), 成富 元(: 福岡逓信病院 外科), 河邊 顕(九州大学 第三内科), 有田 好之(九州大学 第三内科), 伊藤 鉄秀(九州大学 第三内科), 貞元 洋二郎(九州大学 第三内科), 原田 直彦(九州大学 第三内科), 田中 雅夫(九州大学 第一外科)
抄録 症例は48歳男性、主訴は上腹部痛。高血圧で治療中。ビール700mlと日本酒2~3合を毎日飲酒。2001年末頃より上腹部痛を自覚しており増悪・寛解を繰り返していた。2002年5月20日全身倦怠感・上腹部痛を主訴に近医を受診。Amy453U/l、WBC10.100/μlであり、膵精査・治療目的で5月23日当科へ紹介入院となった。腹部エコー・腹部CTにて膵頭体部の腫大、及び膵体部に2ヵ所・膵頭部に1ヵ所の嚢胞性病変を認めた。5月27日にERPを施行。乳頭の開大・粘液流出なし。膵体部に主膵管の嚢胞状拡張(径15~20mm)、及び膵頭部に下頭枝の分枝状拡張と約2mmの壁在結節を確認し、内部に透亮像を伴っていた。膵液は血性で細胞診はClassIIであった。上記の所見によりIntraductal papillary mucinous tumor(以下IPMT)が疑われ九州大学附属病院へ精査のため転院。しかし6月17日に行われた上腹部CTでは膵実質内の嚢胞性病変は明らかでなく、同日のEUSでも膵管の嚢胞状拡張は認められなかった。前回より約1か月後にに施行されたERPでは、主膵管の嚢胞状拡張は消失しており可逆的に変化したものと考えられた。細胞診は前回同様ClassIIであった。主膵管型・分枝型IPMTと診断したが、悪性を積極的に示唆する所見がなく患者・家族の希望で手術は行わず、外来にて経過観察中である。短期間で主膵管の嚢胞状拡張が消失したIPMTの症例を経験したので若干の考察をまじえて報告する。
索引用語 IPMT, 膵腫瘍