セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
115:HCV-RNA量が著明に変動するC型慢性肝炎の一例
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演者 |
岡田 誠(国立小倉病院 内科) |
共同演者 |
佐藤 丈顕(国立小倉病院 内科), 福留 克行(国立小倉病院 内科), 増本 陽秀(国立小倉病院 内科) |
抄録 |
症例は59歳、男性。平成4年7月にC型慢性肝炎と診断され、平成5年4月よりIFNα-2b (総投与量500MU)の投与を受けたが著効は得られなかった。以後近医で経過観察されていたが、ALT値は正常域から200 IU/l台の間で変動していた。平成9年11月、インターフェロン (IFN)の再投与目的で当科を紹介された。当科受診時ALT 20 IU/lであり、肝生検で軽度の肝炎所見 (A1/ F1)を認めたが、HCV-RNAは定量法、定性法とも検出感度以下であった。IFN治療を行わず経過観察したところ、同年12月HCV-RNA陽性となり、平成10年1月にはHCV-RNA 132k copy/ml、ALT 172 IU/lに上昇した。さらに同年2月にHCV-RNA 228k copy/mlとなったが、同年4月にはHCV-RNA 3k copy/mlと低下した。同年5月よりIFNβ (総投与量252MU)を投与したところ、治療中一過性にHCV-RNAが検出感度以下となったが、投与終了2ヶ月後にHCV-RNA陽性となった。その後HCV-RNA量 (定量法)は173k copy/ml (同年12月)、検出感度以下 (平成11年3月)、521k copy/ml (同年6月)、検出感度以下 (同年11月)、387k copy/ml (平成12年3月)、検出感度以下 (同年5月)、850k IU/ml以上 (同年9月)、3.2k IU/ml (同年10月)、850k IU/ml以上 (平成13年1月)、検出感度以下 (同年4月)、850k IU/ml以上 (同年11月)、193k IU/ml (平成14年1月)、850k IU/ml以上 (同年3月)と変動を繰り返している。この間ALT値は正常域から100 IU/l台の間で変動しているが、概ねHCV-RNA量と相関し、高ウイルス量時にはALT値も高い傾向がある。約5年間の観察期間においてHCV-RNA量が著明に変動した1例を経験したので報告する。 |
索引用語 |
C型慢性肝炎, HCV-RNA量 |