セッション情報 一般演題

タイトル 70:

魚骨による消化管穿孔の5例

演者 鶴長 泰隆(長崎記念病院 外科)
共同演者 福井 洋(長崎記念病院 外科), 塩竃 利昭(長崎記念病院 外科), 水谷 明正(長崎記念病院 外科), 上田 剛資(長崎記念病院 外科), 大久保 仁(長崎記念病院 外科)
抄録  魚骨による消化管穿孔の手術例の術前診断率は20%程度で,診断にはCTが有用との報告がある。我々は5例の魚骨による消化管穿孔例を経験した。 症例1は64才の女性。2週間前より左下腹部の腫瘤に気付き,平成7年10月16日受診。悪性腫瘍との鑑別が困難で手術を行った。空腸に穿通した魚骨と大網主体の肉芽腫であった。CTの見直しで魚骨様の線状 high dennsty を認めた。術後経過は良好で退院。 症例2は88才の男性。前日より右下腹部痛が続き,平成8年10月19日受診。CTでは明らかな所見は指摘できず。限局性腹膜炎の症状につき虫垂炎の診断で手術を行った。虫垂は正常で,回腸末端に穿通した魚骨とその周囲の炎症を認めた。術後経過は良好で退院。 症例3は79才の女性。7日間右下腹部痛が続き,平成13年7月10日受診。CTで右下腹部の小腸に魚骨様の線状 high dennsty と周囲脂肪の混濁を認めた。抗生剤の内服で軽快。 症例4は61才の男性。9日間右季肋部痛が続き,平成14年2月4日受診。CTで胃幽門洞部の壁肥厚と魚骨様の線状 high dennsty および周囲の膿瘍所見を認めた。内視鏡を含む保存的治療で改善せず手術を行った。術後経過は良好で退院。 症例5は76才の女性。5日間臍右の腹痛が続き,平成14年9月11日受診。CTで十二指腸下行脚の壁肥厚と魚骨様の線状 high dennsty および周囲脂肪の混濁を認めた。抗生剤の点滴や内服にて軽快。 診断にはCTが有用であった。文献的考察を加え報告する。
索引用語 魚骨, 消化管穿孔