セッション情報 |
ワークショップ1
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タイトル |
W-006:胃癌治療における内科・外科境界領域の検討
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演者 |
緒方 伸一(佐賀県立病院 好生館 内科) |
共同演者 |
渡邉 顕一郎(佐賀県立病院 好生館 内科), 米村 智弘(佐賀県立病院 好生館 外科), 楠本 哲也(佐賀県立病院 好生館 外科), 入江 康司(佐賀県立病院 好生館 病理) |
抄録 |
内視鏡的粘膜切除術については近年,IT-EMRに代表されるcutting EMRの出現により適応拡大が進んできている.今回我々は手術症例のうちどこまでEMR適応が拡大可能であるかを検討するため、平成13年に行った外科的胃癌治療症例と、内視鏡的粘膜切除術についてはIT-EMRを導入した平成13年7月からの1年間の症例について検討を行った.94例の外科手術が行われており,早期胃癌は40例であった.m癌は14例・sm1癌は9例・sm2癌は17例であった.m癌で手術となった主な理由は未分化型であったため10例・分化型であったが腫瘍径が20mmを超えており一括切除不能と判断したため4例であった.sm1癌については術前に明らかなsm浸潤を認めたため1例・潰瘍を伴っていたため3例・分化型ではあったが腫瘍径が20mmを超えていたため3例・未分化型であったため1例・患者の手術希望によるものが1例であった.sm2癌はいずれもsm浸潤癌と診断していた.sm癌のうちpor1・sm1の1症例でリンパ節転移が認められた.内視鏡的粘膜切除術症例は54例で、分化型51例・未分化型3例であった。術式はEDSP法7例(分割切除2例)・吸引法17例(同4例)・IT-EMR法30例(同2例)であった.IT-EMR法の導入により一括切除率は上昇し,かつ適応径も広がっている.当院では原則として肉眼的M癌で腫瘍径5mm以下はEMRL,5mm~10mmはEMRLないしはEMRC,10mm~15mmはEMRC,15mm以上はIT-EMRで対応し,未分化型については全例IT-EMRで対応している.存在部にもよるが,腫瘍径40mm・切除径60mmが当院の一括切除の上限である.外科症例の見直しで未分化型m癌の6例・分化型m癌の4例・sm1癌の6例はIT-EMR法で一括切除が可能であったと思われた.(結語)当院では早期胃癌のうち年間40例の外科手術が行われ,54例の内視鏡的粘膜切除術が行われている.外科手術例のうち16例はIT-EMR法であれば一括切除が可能であったと思われる. |
索引用語 |
EMR, 早期胃癌 |