セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
13:内科的治療で改善し、超音波内視鏡が鑑別に有用であったメネトリエ病の1例
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演者 |
後藤 貴史(日本赤十字社 長崎原爆病院 内科) |
共同演者 |
加藤 浩之(日本赤十字社 長崎原爆病院 内科), 森田 茂樹(日本赤十字社 長崎原爆病院 内科), 古河 隆二(日本赤十字社 長崎原爆病院 内科) |
抄録 |
メネトリエ病は胃粘膜のびまん性肥厚をきたす疾患でありしばしば低蛋白血症を併発する。形態的には胃大弯側を中心に巨大皺襞を認め、典型例では脳回転様を呈する。一方、巨大皺襞を呈する他の疾患、特にBorrmann 4型胃癌などの悪性疾患との鑑別が必要である。今回われわれは、腹部CTで発見され、悪性疾患との鑑別に超音波内視鏡が有用であったメネトリエ病の一例を経験した。また、H2-blockerの投与により低蛋白血症及び内視鏡像の改善をみたため文献的考察を加え報告する。症例は64歳、男性。家族歴・既往歴に特記事項なし。2002年2月に心筋梗塞にて入院。同年 4月、食欲低下にて再入院し、腹部CTで胃体部の肥厚性変化を認めた。胃内視鏡検査では、胃体部大弯側に巨大皺襞を認め、粘膜表面には強い発赤および多量の粘液付着もみられた。上部消化管造影では、胃体部大弯側に腫大したひだがみられた。超音波内視鏡検査では、第1,第2層の著明な肥厚を認めたが、第3層以下に著変を認めなかった。病理組織学的所見は、腺窩上皮の過形成変化を呈し、鋸歯状・コイル状となり、胃底腺は萎縮性であった。これらより、メネトリエ病と診断した。また入院後に低蛋白血症が出現し血清アルブミン値が2.9g/dlと低下したため99mTc-HSDAシンチグラフィ-を施行したところ、静注5分後には胃からの蛋白漏出と思われるRIの異常集積があり、経時的に腸管へと移動がみられた。H2-blockerを開始し、その後1ヶ月で血清アルブミン値は3.6g/dlと改善し、これとともに内視鏡像にも改善がみられている。 |
索引用語 |
メネトリエ病, 超音波内視鏡 |