セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
77:検診大腸内視鏡検査で発見された回腸末端Inflammatory fibroid polyp(IFP)の1例
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演者 |
大山 隆(佐賀社会保険病院 内科) |
共同演者 |
住江 修治(佐賀社会保険病院 内科), 酒井 丈典(佐賀社会保険病院) |
抄録 |
【はじめに】今回我々は、検診大腸内視鏡検査で発見された回腸末端部のInflammatory fibroid polyp(IFP)の1例を経験したので報告する。【症例】64歳女性。154cm、52kg。家族歴・既往歴に特記すべきことなし。平成12年1月18日当院健診で便潜血陽性を認め、同年4月27日精査のための大腸内視鏡検査を施行し、回腸末端に直径約3cmの潰瘍を伴う腫瘤を指摘された。血液生化学検査で軽度の貧血(Hb11.9g/dl)を認めたが、CEA等の腫瘍マーカーの上昇は認められなかった。注腸造影検査では、Bauhin弁から口側約7cmの回腸末端に位置する大きさ約3cmの腫瘤影として認められ、表面に潰瘍を伴っていた。大腸内視鏡検査時の生検病理組織所見は壊死を伴う肉芽組織で、Group 1の診断であった。腹部CT(造影)で腫瘤は指摘できず、リンパ節や肝臓に転移を示唆する所見も認められなかった。良性病変と考えられたが、悪性腫瘍も否定できないため、患者および家族の同意を得て、外科的治療を選択した。【入院後経過】平成12年5月29日回腸部分切除を施行した。病変は2.3x2.5x2cmの亜有茎性の比較的柔らかい腫瘍で、表面に浅い潰瘍を伴っていた。病理組織所見は、粘膜下を中心とする病変で、膠原線維の増生を伴う線維芽細胞様の紡錘形細胞からなり、好酸球を含む炎症細胞の浸潤を伴い、IFPと診断された。【考察】小腸IFPは比較的稀な良性病変であるが、腸重積、閉塞、出血および貧血を契機に発見されることが多く、検診大腸内視鏡検査で発見されることは稀である。今後、検診大腸内視鏡検査においても、できるだけ回腸末端の観察もおこない、IFPも含めた回腸病変の検索を行うべきであると考えられた。 |
索引用語 |
IFP, 回腸末端部 |