セッション情報 一般演題

タイトル 291:

SLE寛解期に急性増悪した自己免疫性肝炎の一例

演者 前畠 裕司(新日鐵八幡記念病院 内科)
共同演者 野間 栄次郎(新日鐵八幡記念病院 内科), 梶原 英二(新日鐵八幡記念病院 内科), 佐渡島 省三(新日鐵八幡記念病院 内科), 金城 満(新日鐵八幡記念病院 内科)
抄録 症例は61歳女性。1996年9月発熱、白血球減少のため当院入院。口腔内潰瘍、多関節炎、白血球減少、抗核抗体陽性、抗DNA抗体陽性、LE細胞陽性と診断基準の5項目を満たしたためSLEと診断され、プレドニン(PSL)投与により症状軽快した。98年2月でPSL中止していた。この間トランスアミナーゼの軽度上昇を認めることがあった。全身倦怠感、微熱、食欲不振、黄疸出現したため2001年9月17日当院入院。TB 13.7mg/dl、AST 1582IU/l、ALT 1264IU/l、IgG 3130mg/dl、ANA 640×、肝生検でacute on chronic hepatitisの所見で、自己免疫性肝炎(AIH)は以前より存在し急性増悪したものと考えられた。9月21日よりPSL投与し肝機能改善し、PSL漸減中であった。2002年4月末全身倦怠感出現し、5月16日肝機能異常を認め入院となった。TB 3.3mg/dl、AST 956IU/l、ALT 968IU/l 、IgG 2900mg/dl、ANA 160×、AIH score18点でAIHの再燃と考えられ、PSL増量により肝機能は軽快した。SLEにAIH合併例は散見されるがほとんどがSLEの発症または増悪時にAIHを合併した例であり、本例のようにSLE寛解期にAIHが顕著化した症例はまれであるため、文献的考察を加え報告する。
索引用語 自己免疫性肝炎, SLE