セッション情報 一般演題

タイトル 324:

急速な進行を示した胆嚢未分化癌の1例

演者 村田 一貴(久留米大学 外科)
共同演者 安永 昌史(久留米大学 外科), 奥田  康司(久留米大学 外科), 樫原 正樹(久留米大学 外科), 木下 壽文(久留米大学 外科), 青柳 成明(久留米大学 外科), 白水 和雄(久留米大学 外科), 山口 倫(久留米大学 病理学), 自見 厚郎(久留米大学 病理学)
抄録 症例】73才男性.主訴は心窩部痛で近医受診し,精査後胆嚢癌,肝への直接浸潤と診断され,当院紹介入院となった.2002年3月15日に肝中央二区域切除術・胆管切除術・胆管空腸吻合術・空腸瘻造設術を施行。術直後に胆管前枝に挿入していたRTBDチューブより動脈性出血を認めたため、RTBDtubeの位置を変更して止血を行い経過観察とした。退院前に血管造影を行ったところ,RTBD tubeにて損傷した部位に仮性動脈瘤を認めたため,TAE施行。その後経過良好で,5月10日自宅退院。退院後、1週間ほどして微熱出現し、次第に全身倦怠感も増強してきたため近医受診.腹部CTにてmultiple liver meta.認め、6月1日緊急入院となった。入院後も39℃台の高熱出現し,抗生剤やステロイド療法で対処するも効果なく,6月27日他界された.【病理組織】腫瘍内にはspindleあるいは大型でbizarreな核を持つgiant cellが増殖しており,これら腫瘍細胞は核小体明瞭で核分裂像を有する.免疫染色ではVimentin,PAS,CK-7が陽性で,上皮系と非上皮系の両方の成分を有しているものと考えられた.【考察】胆嚢未分化癌は胆嚢悪性腫瘍の中でも非常にまれで,急速な転帰をとり予後不良とされている.今回われわれは術後2ヶ月で多発性肝転移を起こし死亡した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 胆嚢未分化癌, 急速発育