セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 183:呼吸困難、肺炎で発症し診断に苦慮した食道異物の一例 |
演者 | 内海 広貴(済生会唐津病院 内科) |
共同演者 | 小島 昌貴(済生会唐津病院 内科) |
抄録 | 症例は22歳女性。精神遅滞、全身痙攣を伴うAngelman症候群にて6歳より施設入所中。平成14年4月20日頃より食欲不振、38℃以上の発熱、咳嗽を持続し繰り返していた。肺炎、気管支炎として抗生剤点滴等にて加療されていたが、抗生剤をFMOX2gに変更された同4月30日に呼吸状態悪化し、努力呼吸でSpO2 40%まで低下し全身チアノーゼ出現、JCS200-と意識低下し当院救急受診した。来院時WBC18500μl、CRP10.8mg/dl、胸部レントゲン写真にて右中肺野中心に淡い浸潤影、左下肺無気肺と少量の胸水を認めた。当初喉頭浮腫による半窒息、肺炎状態と考え、気管挿管し呼吸器管理とした。抗生剤点滴等にて同5月14日にはWBC6200μl、CRP1.8mg/dlまで改善したが、同5月16日に再びWBC13300μl、CRP11.0mg/dlと増悪した。胸部CTを施行したところ、上縦隔にairを認め、周囲縦隔の脂肪層のdensityが上昇し縦隔炎の所見であった。縦隔気腫または食道内のairと考え経過を見ていたが、同6月3日のfollow胸部CTにても変わらず同部に菱形のairを認め、気管を圧排し狭窄を来していた。人工物の存在を考えGIF、MRI、食道造影を施行したところ、門歯より18cmの頚部-胸部上部食道に誤食によると思われる径2×2×2.5cmのスポンジ様異物が嵌頓していた。同6月6日に内視鏡下に把持鉗子を用いて摘出した。摘出後症状は速やかに改善した。 主に呼吸器症状で発症した食道異物の一例を経験したので考察を加え報告する。 |
索引用語 | 食道異物, 気管狭窄 |