セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 57:重症急性膵炎後にイレウスを発症した一例 |
演者 | 畠中 文香(国立病院 九州がんセンター 消化器内科) |
共同演者 | 松尾 享(国立病院 九州がんセンター 消化器内科), 荒武 良総(国立病院 九州がんセンター 消化器内科), 内村 浩太郎(国立病院 九州がんセンター 消化器内科), 横田 昌樹(国立病院 九州がんセンター 消化器内科), 澄井 俊彦(国立病院 九州がんセンター 消化器内科), 井口 東郎(国立病院 九州がんセンター 消化器内科), 舩越 顕博(国立病院 九州がんセンター 消化器内科) |
抄録 | 今回、重症急性膵炎の後期合併症として機械的イレウスを発症し、保存的治療で改善した症例を経験したので報告する。症例は71歳男性。2002年4月10日上腹部痛と発熱を認め、翌11日当科紹介入院。入院時検査所見にて、PaO2 54.9 mmHg、BUN 58.6 mg/dl、Cr 4.29 mg/dl、LDH 836 IU/l、Plt. 8.1万 /μlで、腹部単純CTでGrade IV、総胆管結石の十二指腸乳頭への嵌頓を認め、重症度スコア7点、Stage 2の重症急性膵炎と診断した。翌日には胸水貯留し、Plt. 6万 /μlとなりDICを合併、Cr 5.13 mg/dlと急性腎不全も増悪し、福岡大学病院救命救急センターへ転院となった。透析にて急性腎不全改善後、同院第一外科にて膵炎の原因であった総胆管結石嵌頓に対して切石術施行され、5月14日同院を退院した。退院7日後の5月21日深夜より、上腹部痛と嘔吐出現。22日福岡大学病院の救急外来を受診。腹単にて小腸ガスとニボー形成を認め、イレウスと診断。加療目的にて同日当科第2回目の入院となった。入院翌日の腹単にて所見の悪化を認めたため、イレウスチューブを挿入し、症状の改善および排ガスを認めた。腹部CTにて腸管の拡張と液貯留を認め、横行結腸での狭窄が疑われたが、膵腫大はないものの、膵周囲に少量のeffusionを認め、膵炎後合併症としてのイレウスが最も疑われた。全身状態改善後、イレウスチューブより造影を行うも、明らかな狭窄を指摘できなかった。第16病日の逆行性大腸造影で横行結腸と下行結腸上部に、膵炎による腸管への炎症の波及と思われる狭窄と輪状ひだ様所見が認められ、この部位がイレウスの責任病変と考えられた。 |
索引用語 | 重症急性膵炎, イレウス |