セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
210:若年男性に発症した膵solid pseudopapillary tumorの一例
|
演者 |
橋口 和義(唐津赤十字病院) |
共同演者 |
牧 孝将(唐津赤十字病院), 田渕 正延(唐津赤十字病院), 柏田 知美(唐津赤十字病院), 隅 健次(唐津赤十字病院), 酒井 正(唐津赤十字病院), 石光 寿幸(唐津赤十字病院), 湯ノ谷 誠二(唐津赤十字病院) |
抄録 |
今回我々は若年男性に発症した膵solid pseudopapillary tumorの一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。症例は15歳、男性。1999年9月腹痛、下腹部腫瘤が出現し、精査加療目的で小児科入院。下腹部腫瘤に対しては腹直筋内血腫の診断を得たが、腫瘤精査時のCTで膵頭部に直径2cmの腫瘍を認めた。その後経過観察していたが、2001年10月再度腹痛が出現し、外科入院となった。腹痛の原因は尿膜管膿瘍であったが、原因検索時のCTで、膵頭部の腫瘍が直径4cmまで増大していた。画像上不均一な低吸収域を呈する境界明瞭な腫瘍で、他の画像診断の所見も含めて、膵solid pseudopapillary tumorを強く疑った。経時的にさらなる増大傾向を認めたため、同年11月8日幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。術後、病理診断はsolid pseudopapillary tumorであった。本疾患は若年女性に好発し、無症候性に経過する予後良好な腫瘍であることなど、いわゆる通常膵管癌とはかなり異なる臨床経過像を示す特異な膵腫瘍として現在よく知られている。しかし病理学的にはlow grade malignancyに位置付けられており、男性例、高齢女性例、長期観察例では転移・再発例も報告されている。本症例は若年男性であり、今後の長期経過においては再発・転移等も考慮に入れ、慎重な経過観察が必要と思われる。 |
索引用語 |
solid pseudopapillary tumor, 若年男性 |