セッション情報 一般演題

タイトル 150:

鳥骨によるS状結腸穿通の1例

演者 有川 俊二(佐世保共済病院 放射線科)
共同演者 富田 直史(佐世保共済病院 放射線科), 大熊 一彰(佐世保共済病院 放射線科), 森 有紀(佐世保共済病院 放射線科), 田中 厚寿(佐世保共済病院 放射線科), 江里口 直文(佐世保共済病院 放射線科), 井関 充及(佐世保共済病院 放射線科)
抄録 誤飲魚骨による消化管穿孔,穿通例の報告は本邦でも多数報告されているが,今回,我々は,CTが有用であった鳥骨によるS状結腸穿通の1例を経験したので報告する.症例は54歳の男性.約2ヶ月間持続する左下腹部痛を主訴に近医より紹介受診され,下部消化管内視鏡検査にてS状結腸に限局性の粘膜の発赤と浮腫を認めたため,大腸憩室炎または虚血性大腸炎の疑いにて精査入院となった.腹部超音波検査ではS状結腸の限局性の壁肥厚像を認め,注腸検査にてS状結腸に限局性の狭窄像を認めた.以上より大腸憩室炎と診断した.しかし症状の改善に乏しく,骨盤部CTまで施行したところ,S状結腸の壁肥厚と周囲の脂肪織にまで炎症が波及した所見に加え,壁肥厚部に一致するように約4cm大の異物と思われる線状の高吸収域を認めた.大腸憩室炎よりは鳥骨などの異物によるS状結腸の穿通の可能性も考慮され,手術が施行された.S状結腸と後腹膜は癒着し,S状結腸憩室部から後腹膜に穿通した鳥骨が確認された.
索引用語 鳥骨, 消化管穿通