セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
123:潰瘍性大腸炎経過中にAeromonas soblia大腸炎を併発した一例
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演者 |
長 竜彦(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科) |
共同演者 |
窪山 信一(窪山医院), 古賀 裕之(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 井上 欣哉(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 佐藤 公昭(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 實藤 俊昭(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 田口 順(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 梶原 雅彦(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 石井 邦英(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 安倍 弘彦(福岡県立消化器医療センター朝倉病院 内科), 佐田 通夫(久留米大学第2内科) |
抄録 |
症例は52歳、男性。約10年前に潰瘍性大腸炎と診断、無症状のため無治療にて経過観察されていた。2002年5月、症状は1日3-4回の軟便が主であり、便の血液付着や腹痛は見られず、CRP 0.14mg/dlであった。内視鏡的活動度はmoderateであり、生検組織像では陰窩膿瘍は不明瞭であったものの、再生上皮や杯細胞の減少が見られた。6月初旬、1日6-7回の水様性下痢が出現し、CRP 0.94mg/dlと上昇。Mesaladine投与するも症状の改善なく、predonisolone投与し症状の改善を見た。9月6日、内視鏡的活動度は前回同様であった。内視鏡翌日より、1日20回以上の水様下痢・血便が出現し、潰瘍性大腸炎の悪化が疑われ、9月9日当院紹介となった。入院後、体温37.2度、脈拍96bpm、CRP 10.9mg/dl, WBC 13940/mm3,ESR 94mm/hrで、臨床的重症度分類では重症であった。内視鏡的活動度はmoderateであった。また、BUN 32mg/dl, Cre 2.1mg/dlと高度の脱水を認めた。絶食・輸液・mesaladine投与にて、脱水症状の改善を見たが、下痢回数の減少は見られなかった。入院時便培養よりAeromonas sobliaが検出されたため、潰瘍性大腸炎にAeromonas感染を合併したものと考え、LVFX 400mg/dayの投与を開始した。投与3日目より下痢症状は改善。投与14日目には、1日2回程度の軟便となり、CRP 0.3mg/dl, WBC 9570/mm3, ESR 72mm/hrと改善を認めた。Aeromonas大腸炎は一般に軽症で自然治癒する症例が多いが、一部、慢性化・重症化した症例は臨床症状的には潰瘍性大腸炎との鑑別が困難であるとされている。今回私共は潰瘍性大腸炎にAeromonas感染を伴った症例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, エロモナス |