セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 326:多発性早期胆嚢癌の1例 |
演者 | 北薗 巌(鹿児島大学 医学部 第2外科) |
共同演者 | 浜田 信男(鹿児島大学 医学部 第2外科), 菰方 輝夫(鹿児島大学 医学部 第2外科), 村田 隆二(鹿児島大学 医学部 第2外科), 馬場 信一(鹿児島大学 医学部 第2外科), 槐島 健太郎(鹿児島大学 医学部 第2外科), 久米村 秀(鹿児島大学 医学部 第2外科), 坂田 隆造(鹿児島大学 医学部 第2外科), 藤崎 邦夫(隼人町立医師会医療センター) |
抄録 | 各種画像診断法の発達により早期胆嚢癌の発見される機会も増えている.しかし,多発性早期胆嚢癌の本邦報告例は少なく,検索し得た限り自験例を含め13例であった.今回われわれは,最終病理診断でincidentalに第2の早期癌が判明し,二期的に追加切除を行なった多発性早期胆嚢癌の1例を経験したので報告する. 症例は67才の男性.B型慢性肝炎のフォロー中,腹部USで径6mm大の胆嚢ポリープを指摘された.4ヵ月後のUSでポリープは径15mmと増大を認めたため,平成14年5月31日手術目的で当科に入院した.腹部CT,MRCP,超音波内視鏡検査(EUS)で胆嚢底部腹腔側に15×11mm大の亜有茎性の腫瘍を認めた.膵管胆道合流異常は認めなかった.腫瘍マーカーはCEAは1.9ng/mlと正常であったが,CA19-9は 38.2U/mlと軽度高値を示した.胆嚢腺腫または早期胆嚢癌の診断で,6月21日手術を施行した.開腹下に術中USで漿膜下浸潤を否定した上,#12cのリンパ節廓清を伴う全層胆嚢摘出術を施行.術中迅速組織診で高分化型腺癌,深達度mの結果を得た為手術を終了した.結石はなかった.永久標本の病理学的検索で,主病巣はIIa+Ip型,5×5cm,組織型はtub1+tub2+papで深達度はmpであった.さらに,胆嚢頸部から胆嚢管にIIb型,0.5×0.5cm,組織型tub1,深達度mの早期癌を認めた.胆嚢管断端陽性(bm2) に加え胆嚢壁内リンパ節転移も認められたことより,7月15日二期的にD2郭清を伴う肝外胆管切除及び肝管空腸吻合術を施行した.切除胆管及び郭清リンパ節に組織学的に癌遺残はなかった. 最終病理診断でincidentalに判明した多発性早期胆嚢癌の1例を経験した.胆嚢癌の術中迅速組織診による水平方向進展,壁深達度診断は検索範囲の制限,限界があり,最終病理診断に応じた追加切除の適応を考慮する必要がある. |
索引用語 | 多発, 早期胆嚢癌 |