セッション情報 一般演題

タイトル 283:

アルコール性肝硬変に合併したAeromonas hydrophila感染症の1救命例

演者 井上 欣哉(福岡県立消化器医療センター朝倉病院)
共同演者 古賀 裕之(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 石井 邦英(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 佐藤 公昭(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 長 竜彦(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 實藤 俊昭(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 田口 順(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 梶原 雅彦(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 安倍 弘彦(福岡県立消化器医療センター朝倉病院), 佐田 通夫(久留米大学第2内科)
抄録 症例は60歳男性.平成5年よりアルコール性肝硬変のため当科外来通院中も飲酒は続いていた.H14年8月18日夕食でカツオのたたき,馬刺を摂食.19日も朝より飲酒.昼頃より39度の悪寒戦慄を伴う発熱と水様下痢が出現し当科受診.身体所見は,下腹部全体に自発痛を認めたが皮膚所見に異常は認められなかった.血液検査では,WBC14010,CRP10.0と強い炎症反応を認め,DIC(Plt 2.3万,PT 38.5%,FDP 21.3:DIC srore 9点)を併発していた.感染性腸炎とDICを呈しており,病歴よりVibrio vulnificus感染症も考えられたため,入院直後より抗生剤(FOM,CTZ,KM)およびDICに対してAT-III製剤,メシル酸ガベキサートの投与にて治療を開始した.その結果,症状の軽快とともに炎症反応,DICも改善し,24病日に軽快退院となった.入院時の便培養からA. hydrophilaが検出された.A.hydrophilaは,淡水,海水,土壌および淡水魚から高率に分離されるグラム陰性桿菌であり,食中毒菌として,肝硬変,糖尿病,白血病などの患者に日和見感染症を生じ,しばしば重篤な経過をたどり,死亡率は30~50%とされている.本症は肝硬変症の合併症の1つとして重要であり,文献的考察を加えて報告する.
索引用語 エロモナス, アルコール性肝硬変