セッション情報 一般演題

タイトル 118:

当院でのC型肝硬変におけるインターフェロン療法の検討

演者 富盛 宏(琉球大学 医学部 第一内科)
共同演者 小橋川 嘉泉(琉球大学 医学部 第一内科), 前城 達次(琉球大学 医学部 第一内科), 真喜志 知子(琉球大学 医学部 第一内科), 宮城 剛(琉球大学 医学部 第一内科), 岩下 秀彦(琉球大学 医学部 第一内科), 岸本 一人(琉球大学 医学部 第一内科), 半仁田 慎一(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 仲本 学(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 宮里 史郎(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 又吉 亮二(琉球大学 医学部 第一内科), 内間 庸文(琉球大学 医学部 第一内科), 平田 哲生(琉球大学 医学部 第一内科), 仲吉 朝史(琉球大学 医学部 第一内科), 佐久川 廣(琉球大学 医学部 第一内科), 金城 福則(琉球大学 医学部 第一内科), 斎藤 厚(琉球大学 医学部 第一内科)
抄録 インターフェロンは,C型慢性肝炎を対象にウイルス消失を主目的に投与されてきた。しかし,インターフェロンは抗ウイルス活性のみならず,抗腫瘍活性や免疫賦活作用などの多面的な作用を有している。今回われわれはインターフェロンのこのような多面的作用に期待し,肝細胞癌のよりhigh risk群であるC型肝硬変を対象に選んだ。またcontrol studyとして,インターフェロン投与群と非投与群の肝細胞癌発癌率を比較し,C型肝硬変患者に対するインターフェロン療法の有用性を検討した。対象としては18ヶ月以上経過観察でき,観察開始時に画像検査にて肝細胞癌および肝細胞癌と鑑別を要する病変を認めない,Child Cを除いたC型肝硬変患者とした。インターフェロン投与群(n=36)と非投与群(n=43)を比較すると,統計学的にインターフェロン非投与群からの発癌率が有意に多く認められ,インターフェロン投与群からの発癌例は3例で,いずれもインターフェロン無効例であった。C型肝硬変におけるインターフェロン療法は肝細胞癌を抑制し,低ウイルス量を示すものや,genotype2型ではC型慢性肝炎と同等の効果が得られると考えられた。肝細胞癌予防の観点から今後C型肝硬変に対しても症例によってはインターフェロン療法を積極的に検討していく必要があると考えられ,若干の文献的検討を加えて報告する。
索引用語 C型肝硬変, インターフェロン