セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 83:99mTc出血シンチが診断に有用であった空腸Gastrointestinal stromal tumor の1例 |
演者 | 関 剛彦(佐世保中央病院消化器内視鏡科) |
共同演者 | 飯塚 佳彦(佐世保中央病院消化器内視鏡科), 松村 雅人(佐世保中央病院消化器内視鏡科), 麻生 大輔(佐世保中央病院消化器内視鏡科), 富永 雅也(佐世保中央病院消化器内視鏡科), 重政 有(佐世保中央病院外科), 國崎 忠臣(佐世保中央病院外科), 堀上 謙作(佐世保中央病院放射線科), 平尾 幸一(佐世保中央病院放射線科), 米満 伸久(佐世保中央病院病理) |
抄録 | 症例は65歳、男性。3年前より貧血を指摘され、近医通院中であった。H13/10/19、突然の上腹部痛・下血出現し、精査加療目的にて当院紹介受診となった。上部消化管内視鏡検査・腹部CT検査を施行したが異常は指摘できず、大腸内視鏡検査では、直腸から回腸末端まで古い血液塊の付着を認めるものの明らかな出血源は指摘できなかった。出血部位同定のため99mTC出血シンチグラム検査施行。右上腹部に99mTcの集積を認め上部空腸からの出血が疑われた。引き続き腹部血管造影検査を施行したところ、SMAのjujunal branchの1枝よりtumor steinを認め、同部近傍に破綻血管を特定できたためTAEを施行した。10/27再度腹部造影CT検査施行、上部空腸に均一に造影される充実性腫瘍を認めた。10/31ゾンデ法小腸X線検査施行、トライツ靭帯より肛門側約10cmの部位に3cm大の表面平滑で広基性の隆起性病変を認めた。11/8小腸部分切除術を施行した。術中内視鏡検査では腫瘤は広基性で正常粘膜に覆われているが頂部の粘膜上皮は欠損し亀頭状外観を呈していた、基部は発赤し小潰瘍を伴っていた。切除生標本割面では、ほぼ均一な白色調を呈しており、筋層を挟んで全体として鉄アレイ型で上皮側に24×20×18mm、漿膜側に28×24×20mm突出した腫瘤であった。上皮側の腫瘤頂部は広範な糜爛を伴っており、漿膜側では大小結節状を呈していた。病理組織学的所見では、紡錘形細胞が束状に増殖し、核は卵円形から紡錘形のものが多く、少数の腫瘍細胞に核の異型を認めるが核分裂像は認めず、免疫組織学的所見では、vimentin CD117 CD34は陽性 desmin HHF-35陰性 NSE陰性S-100はごく少数の腫瘍細胞で陽性であり、gastrointestinal stromal tumor uncommitted typeと診断した。p-53陰性、MIB-1は1~2%陽性であった。99mTc出血シンチグラム検査は毎分0.05ml以上の出血があれば検出可能とされているが、本症例においても出血部位即ち病変の存在診断に極めて有用であり、更なる検査法の選択、診断・治療の糸口となった、以上固有筋層を挟んで鉄アレイ型の特異な形態を呈したuncommitted type GISTの1例を経験したので若干の文献的考察を含め報告する。 |
索引用語 | 出血シンチグラム, GIST |