セッション情報 一般演題

タイトル 127:

下血を来した腸結核再発の一例

演者 川根 真理子(琉球大学 医学部 第1内科)
共同演者 豊見山 良作(琉球大学 医学部 第1内科), 與那嶺 吉正(琉球大学 医学部 第1内科), 又吉 亮二(琉球大学 医学部 第1内科), 岸本 邦弘(琉球大学 医学部 第1内科), 砂川 隆(琉球大学 医学部 第1内科), 半仁田 慎一(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 仲本 学(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 宮里 史郎(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 内間 庸文(琉球大学 医学部 第1内科), 仲吉 朝史(琉球大学 医学部 第1内科), 金城 渚(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 外間 昭(琉球大学 医学部 第1内科), 佐久川 廣(琉球大学 医学部 輸血部), 金城 福則(琉球大学 医学部 光学医療診療部), 斎藤  厚(琉球大学 医学部 第1内科)
抄録  戦後の抗結核薬の進歩,生活環境の向上による肺結核症の減少に伴って活動期の腸結核は稀となり,下部消化管検査にて偶然治癒後の腸結核に遭遇する事が多い.しかしながら,近年先進国ではImmunocompromised hostにおける日和見感染が問題となり,腸結核に関しても一定の頻度で発症をみている.今回我々は下血で発見された腸結核再発の1例を経験したので報告する.【症例】34歳男性.主訴は発熱,水様性下痢頻回,嘔吐,下血で,平成13年7月16日より数回の軟便が出現した.7月22日血便が認められ,25日に下血が増強したため,当院救急外来を受診した.来院時血圧は120/60mmHg,38.7度の発熱を認め,血液検査ではWBC 6100/mm3,Hb 15.9 g/dl, ESR 7 mm緊急下部内視鏡検査で上行結腸に狭窄,潰瘍の多発を認めた.既往歴では平成8年腸結核にて入院加療し,約4ヶ月の抗結核薬治療後内視鏡上軽快を確認していた.内視鏡所見,既往歴より腸結核と診断し,即日入院となった.入院時より絶食とし,7月26日よりINH 400mg / 日, REF 450mg / 日, EB 1000mg/日の抗結核薬3剤による治療を開始した.ツ反陰性,生検組織の結核菌DNA・培養検査は陰性,病理でも乾酪性肉芽腫等は証明できなかった.抗結核薬開始後下血の改善・内視鏡上再生上皮を認め軽快傾向を認めた.下血患者では,腸結核を鑑別にあげる必要があると思われた.
索引用語 腸結核, 下血