セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
161:虚血性腸炎を契機に発症した血栓性血小板減少性紫斑病の一例
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演者 |
棚橋 仁(大分県厚生連鶴見病院 消化器科) |
共同演者 |
鳥島 竜太郎(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 中嶋 宏(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 岩田 芽久美(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 内田 明宏(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 大河原 均(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 永井 敬之(大分県厚生連鶴見病院 消化器科) |
抄録 |
血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) は血小板減少、溶血性貧血、精神症状、発熱、腎機能障害を 5 主徴とする全身性疾患で、感染、薬剤、妊娠等を契機に発症するとされるが原因不明であることも多い。今回、我々は虚血性腸炎を契機に TTP を発症し、血漿交換にて救命した1例を経験したので報告する。症例は 82 歳女性、平成14年7月24日腹痛にて近医に入院し、翌日下血した。腹部 CT 上、上行結腸から横行結腸の著明な腸管壁の肥厚を認めた。保存的に加療するも第 5 病日より急激に血小板数の減少、貧血、意識レベルの低下、腎機能悪化、また腹水の貯留も認めたため当科紹介入院となった。入院時意識レベルは JCS II-30、 血小板 数7 万, Hb 8.2 mg/dl , ハプトグロビン 10 以下と低下、血清 LDH 2212 U/dl, BUN 56 mg/dl, Cr 3.3 mg/dl と上昇を認めた。大腸内視鏡では横行結腸に著明な浮腫と出血斑、全周性に地図状の潰瘍を認めた。 臨床経過と内視鏡像より、虚血性腸炎を契機に発症したTTP と診断した。入院翌日より血漿交換を開始し、意識レベル、血小板数、腎機能、血清 LDH 値は著明に改善した。血漿交換を計8 回、血漿輸注を計 5 回施行し、第50 病日目に軽快退院した。虚血性腸炎を契機に発症したTTP を早期に診断し、血漿交換にて救命しえた症例を経験した。 |
索引用語 |
虚血性腸炎, 血栓性血小板減少性紫斑病 |