セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
148:回盲部に発症した腸捻転による腸閉塞を認めた一例
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演者 |
村上 聡一郎(佐賀医科大学付属病院 一般・消化器外科) |
共同演者 |
田中 聡也(佐賀医科大学付属病院 一般・消化器外科), 篠崎 由賀里(佐賀医科大学付属病院 一般・消化器外科), 眞方 紳一郎(佐賀医科大学付属病院 一般・消化器外科), 佐藤 清治(佐賀医科大学付属病院 一般・消化器外科), 中房 祐司(佐賀医科大学付属病院 一般・消化器外科), 宮崎 耕治(佐賀医科大学付属病院 一般・消化器外科) |
抄録 |
【はじめに】盲腸軸捻転による腸閉塞の発生頻度は全消化管イレウスの1%以下とされており、比較的稀な疾患である。病因として盲腸の固定不全が一次的要因としてあげられる。しかし盲腸固定不全は正常成人の10~15%に存在するとされ、本症発症には二次的要因が必要で、手術による癒着・索状物の他、長期臥床や慢性便秘等による盲腸内容の停滞、妊娠や調薬による盲腸の位置変化等が挙げられる。盲腸軸捻転により盲腸が虚血壊死に陥った一症例を経験したので、これを報告する。【症例】22歳男性。主訴は嘔吐。生後脳性麻痺。その後クラインフェルター症候群と診断。症状の訴え出来ない状態で肢体不自由児施設入園中。平成13年11月4日頃より頻回の嘔吐を認めていた。食事摂取不良状態で11月8日朝より39℃近い発熱が出現し、当院救急外来を受診。来院時腹部は高度膨満し全体に板状硬。体温38.9℃。圧痛など症状は本人訴え無いため不明。検査データWBC 23800/dl、CRP 34mg/dl、と高度炎症所見を認めた。腹部単純X線上、著明に拡張した大腸ガス像が右下腹部から左上腹部に向け集中している像を認めた。腹部CTで左上腹部に拡張した腸管を認め胃は上方に圧排。右側腹部には小腸ガスを認め上行結腸は内側に偏位し左上腹部の拡張した腸管と連続していた。明らかなfree airは認めず、少量の腹水を認めた。盲腸軸捻転の診断のもと緊急手術施行。開腹すると多量の漿液性の腹水が流出した。左横隔膜部に虚血壊死に陥り540°時計回りに捻転した盲腸を認めたが穿孔は認めず回盲部切除術を施行。汎発性腹膜炎の状態で腸管の浮腫もあり、腸管吻合を伴う一期手術は回避すべきと考え、回腸及び結腸人工肛門を造設、Primary openとした。また減圧目的にてイレウスチューブを留置した。術後5日目、作成した上行結腸側のStomaが壊死に陥り再手術施行。腸管の浮腫も軽減しており、吻合可能と判断し、Stoma閉鎖、回結腸吻合を行いイレウスチューブ留置。その後経過は順調で再手術後7日目イレウスチューブ造影にて吻合部のLeakageの無いことを確認後抜去、食事摂取を開始し、平成13年12月27日軽快退院となった。 |
索引用語 |
腸捻転, 回盲部 |