セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
80:術後早期に小腸吻合部を先進部とした腸重積の一例
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演者 |
土井 篤(北九州市立医療センター 外科) |
共同演者 |
井原 隆昭(北九州市立医療センター 外科), 加藤 大輔(北九州市立医療センター 外科), 中原 昌作(北九州市立医療センター 外科) |
抄録 |
【はじめに】成人における腸重積症は大部分が腫瘍を先進部とし他の原因であることは少ない。今回、我々は頚部食道癌に対する遊離空腸による食道形成術後に、小腸吻合部を先進部として腸重積症を発症した極めて稀と思われる1例を経験したので報告する。【症例】75歳、男性。既往歴として1967年(39歳時)、胃癌にて幽門側胃切除術(Billroth-2法による再建)。1988年(61歳時)、喉頭癌にてFAR療法。その後、1989年(62歳時)に局所再発のため喉頭全摘術。現病歴は、2002年(75歳時)5月頃より嚥下困難感を自覚、8月に喉頭癌術後の定期の食道・胃内視鏡を受けた際に食道入口部直下に喉頭癌再発性腫瘍が判明し、9月、頚部食道腫瘍摘出術、遊離空腸による食道形成術を受けた。術後早期より胃管から多量の排液を認めたため、胃内視鏡・胃透視を施行したところ、胃切除後の空腸輸出脚に著明な狭窄を認め、CT、エコーにて腸重積症の診断となった。発症の原因は不明であったが、手術を施行した。術中所見で遊離空腸後の吻合部を先進部とする約18cmにわたる重積を認めたため、小腸部分切除術を施行した。術後経過は良好でイレウス症状は消失した。【まとめ】今回我々は遊離空腸による食道形成術後に、小腸吻合部を先進部として発症した腸重積症の1例を経験した。術後の成人における腸重積症の原因として吻合部を先進部とするものが存在することを念頭に入れ、診断、治療にあたることが必要と考えられた。 |
索引用語 |
腸重積症, 遊離空腸術後 |