セッション情報 一般演題

タイトル 29:

腫瘤形成型胃MALTリンパ腫の一例

演者 鳥島 竜太郎(大分県厚生連鶴見病院 消化器科)
共同演者 中嶋 宏(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 岩田 芽久美(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 棚橋 仁(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 内田 明宏(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 大河原 均(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 永井 敬之(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 佐藤 哲郎(大分県厚生連鶴見病院 外科), 久保 宣博(大分県厚生連鶴見病院 外科)
抄録 症例は69歳男性。健診での内視鏡検査にて異常を指摘され、平成14年4月22日当院外来受診し胃内視鏡検査施行。胃体上部大彎側に一部陥凹伴うSMT様隆起性病変を認めた。また胃体下部小彎側、胃角部大彎側にもびらんを認めた。生検組織検査では隆起性病変はMALTomaの像であった。EUSでは第2層由来のほぼ均一なhypoechoic massとして描出された。 H.pylori はUBT にて陰性であった。平成14年6月14日精査加療目的で入院となった。入院後に施行した胃内視鏡検査では、体上部大彎側の隆起性病変は易出血性で不整な粘膜面となり、胃体下部、胃角部には不整なびらんを認めた。腹部CT検査では、リンパ節転移を疑わせる所見は認めなかった。平成14年6月27日胃全摘術を施行した。病理組織結果は、粘膜内を主とし粘膜下層深部に及ぶMALTomaで1群リンパ節転移を認めた。また体下部のびらんもMALTomaの組織所見であった。胃MALTリンパ腫の治療は H.Pylori の除菌療法が第一選択となりつつあるが、除菌療法が奏功する症例の特徴としては、 H.pylori 陽性で肉眼型が表層型かつ粘膜病変であることがあげられる。本症例は H.pylori 陰性で腫瘤形成型、EUSにて粘膜下層への浸潤が考えられたため、手術療法を選択した。
索引用語 胃MALTリンパ腫, 胃全摘術