セッション情報 一般演題

タイトル 16:

好酸球性胃腸炎で発症したアレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)の一例

演者 鳥越 徳子(九州厚生年金病院 内科)
共同演者 五島 寛(九州厚生年金病院 内科), 長野 政則(九州厚生年金病院 内科), 草野 良輝(直方中央病院 内科)
抄録 AGAは血管炎症候群の一つで末梢血好酸球の増加、気管支喘息の既往、小血管の壊死性血管炎を特徴とする疾患である。我々は好酸球性胃腸炎で発症した、AGAの一例を経験したので報告する。患者は気管支喘息、慢性副鼻腔炎の既往がある52歳男性。平成14年3月26日より下腹部痛、下痢が出現した。近医を受診し抗生剤の投与をされたが症状の改善なく、4月8日直方中央病院内科に入院となった。血液検査ではWBC19300/μl,Eo 60.2%,IgE 2208IU/lであった。透視及び内視鏡検査にて胃角部、前庭部、十二指腸に潰瘍、びらんの形成を、小腸の一部に皺壁の腫大と全周性の狭窄、回腸末端には散在するびらん、上行結腸から直腸まで黄白色小粘膜下隆起を認めた。潰瘍、びらん、小隆起からの生検において、好酸球の浸潤がみられた。以上の所見より、好酸球性胃腸炎と診断し、プレドニン30mgの内服を開始したところ症状及び検査所見は改善し退院となった。また、入院中より四肢のしびれ、歩行時の下肢痛が見られていたが、プレドニンの減量に伴いしびれ、下肢痛が増強したため6月28日当院を受診。左手背部、左下腿前面部、両側足背足底部に感覚障害を認め、多発性単神経炎と考えられ、WBC15900/μl,Eo13.3%と依然高値であることと、これまでの経過と考え合わせAGAと診断した。なお、MPO-ANCA 81EUと高値であった。プレドニン60mg投与開始し徐々に減量、下肢痛、しびれは軽快した。プレドニン25mgで退院、その後外来にてプレドニン減量中である。
索引用語 血管炎, 好酸球増多症