セッション情報 ワークショップ1

タイトル W-001:

内科・外科境界領域の早期胃癌に対する内視鏡的吸引粘膜切除術(EAM)

演者 永井 敬之(大分県厚生連鶴見病院 消化器科)
共同演者 鳥島 竜太郎(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 中嶋 宏(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 岩田 芽久美(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 棚橋  仁(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 内田 明宏(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 大河原 均(大分県厚生連鶴見病院 消化器科), 佐藤 竜吾(大分医科大学 第2内科), 村上  和成(大分医科大学 第2内科), 藤岡  利生(大分医科大学総合診療部)
抄録 【目的】胃癌学会から提出された胃癌治療ガイドラインにおけるEMRの適応病変と適応外病変に対するEAMの治療成績をもとに、内科外科境界領域の早期胃癌に対するEAMについて検討した。【対象】対象は1997年9月より2002年9月までの5年間で当院にてEAMを施行した早期胃癌104例、121病変。ガイドラインより、長径2cm以下の潰瘍を伴わない分化型の粘膜内癌を適応病変とした。【方法】EAMの方法は鳥居らの方法に準じた。2001年10月より大口径スネアガイドチューブ一体型先端透明フード(トップ社製アスピレーション・ムコゼクター、Jタイプ)を使用して23病変の切除を行った。手技施行時間は、一括切除で約20分であった。【成績】適応病変は100病変で、完全切除率は適応病変が74%、適応外病変が62%であった。大きさ21mm以上の適応外病変で不完全切除となった8例(2a 7例、2c 1例)は、平均27.3mmであった。適応病変で不完全切除となった13例はすべて陥凹型病変であった。遺残再発は11病変(9%)に認めた。遺残再発例は、肉眼型別には2a: 4/52,2c: 6/44, 2a+2c: 1/19で、切除法別には一括切除: 6/61、分割切除: 5/60であった。遺残再発病変に対しては4例にEAM、3例にEAM+APC、2例にAPC、2例に手術を行った。【結論】大口径を含めたEAM法による早期胃癌に対する内視鏡治療は、内科外科境界領域とされる21mm以上の分化型粘膜内癌に対して、隆起型では25mmまでは切除可能である。
索引用語 早期胃癌, 内視鏡的切除