セッション情報 パネルディスカッション7(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

EUS-FNA関連の手技と工夫≪ビデオ≫

タイトル 内PD7-2:

20mm以下の膵小腫瘤性病変に対するEUS-FNAの手技の工夫と成績

演者 階子 俊平(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
共同演者 真口 宏介(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
抄録 【背景と目的】EUS-FNAは組織学的な診断が得られる有用な検査法であるが、穿刺対象が小病変の場合、検体が十分に採取できない場合も少なくない。今回、20mm以下の膵小腫瘤性病変に対するEUS-FNAの成績について検討する。【対象と方法】On site cytologistによる判定を開始した2003年6月から2011年2月までにEUS-FNAを施行した475例中、手術あるいは臨床経過などにより確定診断が得られた中で膵腫瘤径が20mm以下の53例(11.2%)53病変を対象とした。腫瘤径中央値は15mm(3.5-20)、内訳は膵癌 31、膵内分泌腫瘍(PNET) 7、SPN 1、腎癌膵転移 2、腫瘤形成性膵炎 10、膵内副脾 2であり、病変部位はPh 31、Pb 19、Pt 3、穿刺部位は胃 22、十二指腸 27、胃+十二指腸 4。穿刺は基本的には22G針で行っているが、対象に応じて25Gを選択した。腫瘤が小さくストローク距離が十分にとれない場合には、正常膵実質まで含んでストロークを行った。また通常の陰圧にて検体採取が不十分な場合には50mlで吸引を行った。検討項目は、1)初回穿刺針と穿刺回数、2)検体採取率と正診率、3)診断困難理由、4)偶発症、とした。【成績】1)初回穿刺針は22G 45、25G 8であり、平均穿刺回数は2.8回(1-5)であった。2)検体採取率は細胞診100%、組織診94.3%であり、感度80.5%、特異度100%、正診率84.9%(45/53)であった。うち10mm以下の病変(n=8)での検体採取率は細胞診100%、組織診100%であり、感度50%、特異度100%、正診率75%(6/9)であった。3)診断困難8病変の内訳は膵癌 6、PNET 1、腎癌膵転移 1。病変部位はPh 6、Pb 1、Pt 1であり、穿刺部位は胃 3、十二指腸 2、胃+十二指腸3。診断困難要因は検体が微小 3、病変に確実に穿刺されていない可能性がある 4、高分化型腺癌で異型が弱い 1、であった。4)1例(1.8%)で軽症膵炎を認めたが保存的に軽快した。【結論】EUS-FNAは、膵小腫瘤性病変に対しても組織採取が得られ、有用な診断法であるが、さらに正診率向上のための工夫が必要である。
索引用語 EUS-FNA, 膵小腫瘤性病変