セッション情報 一般演題

タイトル 85:

大腸原発Gastrointestinal stromal tumor(GIST)の一例

演者 桑原 淳生(大町町立病院 内科)
共同演者 小川 明臣(大町町立病院 内科), 岩永 章成(足寄町国民健康保険病院), 中間 輝次(大町町立病院 内科), 山田 洋輔(山田内科医院), 宮崎 耕治(佐賀医科大学一般・消化器外科)
抄録 症例は75歳。女性。平成13年10月、腹痛、嘔気あり。当院入院。腹部X線にてniveau像を認めた。CTでは右側結腸に強く造影されるmassを認めた。ガストログラフィン注腸を行い、横行結腸に表面平滑な腫瘍性病変による管腔閉塞を認めた。大腸ファイバーでは、肝彎曲近くの横行結腸に管腔を占める発赤した硬い腫瘍を認め、表面の一部に白苔を伴っていた。生検では有意な所見は得られなかったが、腸閉塞症状あり、粘膜下腫瘍の診断にて結腸部分切除術を施行した。横行結腸に6×3.2cmの大型のY-3型の腫瘍を認めた。粘膜下層あるいは筋層では大小不同のある楕円形ないし紡錘型核を有する異型細胞が密在性、錯綜状に増殖しているのが認められた。粘膜固有層あるいは漿膜下層での増殖も見られた。これらの異型細胞は免疫組織学上vimentin, CD34, s-100にて陽性、CD117(kit)にて約30%で陽性を認めた。Cytokeratin, HHF-35, SMA, NSEでは陰性像を示した。Gastrointestinal stromal tumor (GIST)と診断した。Mitosisは2-3個/20HPFであるが、腫瘍周囲には明らかな線維性被膜を認めず一部固有筋層を置換するような増殖パターンも見られた。low grade malignancyと考えた。大腸原発のGISTは比較的まれであり、興味深い症例と考えられたので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 GIST, 大腸原発